就活生の年収希望が急上昇!
2024年に行われた調査によると、約5人に1人の就活生が新卒初年度の年収として「500万円以上」を希望しています。この傾向は年々強まり、特に経済状況や労働市場の変化が影響していると考えられます。
調査結果概要
調査は、OfferBoxに登録している2026年卒業予定の学生を対象に実施され、有効回答数は400件にのぼりました。最も多い希望年収は300-399万円で、これは全体の40.3%を占めていますが、500万円以上を希望する学生も19.3%に達しています。この数字は前年の8.9%から10.4ポイントの増加をみせ、希望収入の高騰が顕著に表れています。
また、国税庁の調査によると、2022年度の日本人の平均年収は458万円で、2年連続で増加を記録しています。この結果からも、就活生が新卒から高い年収を望む背景を伺い知ることができます。
年収が希望に達しない場合の反応
内定先からの提示年収が希望を下回った場合の辞退意向についての調査では、84.8%の学生が「その他条件によっては辞退しない」と回答。しかし、内定辞退を選択する学生も増加しており、昨年の2724卒学生と比較してもその割合は増加傾向です。これにより、年収を重視する傾向が強まっていることが伺えます。
複数の条件の重要性
学生は年収以外の条件にも注意を向けています。福利厚生の充実が最も多い73.7%の回答を得ており、業務内容も62.2%で続いています。就職活動を行う学生たちは、給与だけでなく、働きやすさを重視するようになっているのでしょう。
希望金額との差の許容範囲
「希望金額との差はいくらまで許容しますか?」という問いには、「50万円以内」が50.8%、次いで「51万円〜100万円」が36.8%と回答されました。年収の提示が希望額からの乖離を許容できる範囲が比較的狭くなっていることが分かります。
企業の視点から
企業側のアンケートでは、多くの企業が学生に提示する年収として「300-399万円」の回答が56.1%で最も多かったものの、希望する年収500万円以上の学生に対しては0.3%の企業しか提示できていない現実があります。65.2%の企業が前年と給与に変更がないとし、34.8%は増額したとの回答もありましたが、企業と学生の希望が大きく乖離している状況です。
結論
新卒者が求める年収が高まり続ける中、企業は給与面での競争を強いられています。また、学生は給与だけでなく、働きがいや福利厚生といった点でも高い基準を持つようになっています。この変化を踏まえ、今後の採用市場がどのように進化していくのかが、非常に注目されます。