江戸時代の天文観測記録『霊憲候簿』が特別公開
江戸時代の貴重な天文観測記録『霊憲候簿』(れいけんこうぼ)が、2025年の東京文化財ウィークの一環として特別に展示されることが決定しました。この資料は、独立行政法人国立公文書館(東京都千代田区)が所蔵しており、令和7年の9月26日付けで国の重要文化財に指定されました。
『霊憲候簿』の概要
『霊憲候簿』は、天文方の渋川景佑(かげすけ)の手によって作成された記録で、1838年から1854年までの17年間にわたり行われた天文学的観測を詳細に記録しています。特に、天保10年8月1日に観測された金環日食の記録や、天保12年12月17日に降った大雪の気象データが含まれており、当時の天文や気象の研究にとって非常に重要な資料です。
特別公開は、令和7年10月25日(土)から11月7日(金)までの期間中、国立公文書館東京本館1階展示ホールで行われます。この展示会では、全202冊の資料の中から「附言巻1」に含まれる「星測」の挿絵部分が注目されます。
企画展の内容
また、特別公開の期間中には、『世界へのまなざし―江戸時代の海外知識―』という企画展も同時開催されており、そこでは他の3点の国指定重要文化財も展示されます。『北夷分界余話』や『御書物方日記』、『阿蘭陀本草和解』といった資料が紹介され、日本の文化や歴史についての理解を深める機会が提供されます。
海外知識にまつわる文化財
特に、『北夷分界余話』では間宮林蔵がカラフト調査の際に筆録した内容が紹介されており、アイヌの生活を描いた彩色図96図も見所です。『御書物方日記』は江戸幕府の書物に関する業務記録であり、蔵書の管理や目録類の編纂など、多岐にわたる情報を提供してくれます。また、『阿蘭陀本草和解』では、オランダ名やラテン名、和名などの薬草に関する情報が提供され、江戸時代の医療や薬草学についての洞察を与えてくれます。
ぜひ実物を見に来て!
この特別展示は、資料の保存のため一定の期間で展示替えが行われますが、どの展示も貴重な文化財の数々です。特に『霊憲候簿』は日本の天文暦学史や気象史において重要な役割を果たしており、この機会にぜひ直接目にしていただきたい資料です。
詳細情報
- - 開催期間: 令和7年10月25日(土)~11月7日(金)(無休)
- - 開催時間: 午前9時15分~午後5時00分
- - 開催場所: 国立公文書館東京本館1階展示ホール
〒102-0091 東京都千代田区北の丸公園3-2
- - アクセス: 東京メトロ東西線竹橋駅下車1b出口より徒歩5分
- - 公式サイト: 国立公文書館
- - 東京文化財ウィーク情報: 東京都HP
是非、貴重な文化財に触れる特別な体験をお楽しみください。