土井木工とANAファシリティーズが協力し、東広島市の森林づくりを推進
広島県府中市に本社を構える土井木工株式会社が、ANAファシリティーズ株式会社、東広島市、賀茂地方森林組合と「東広島市森林づくりパートナー協定」を結び、地域の森林保全活動に取り組むことが明らかになりました。この協定は2025年12月24日に締結され、土井木工の代表取締役社長である土井啓嗣氏をはじめとする関係者が出席し、今後の取り組みについて意見を交わしました。
ANAファシリティーズは、2024年1月から「ANAForest」において所有する森林を利用した活動を展開していく予定です。この活動の一環として、企業や団体が森林づくりに参加できる「企業の森」を設置し、土井木工はその区域の1.0ヘクタールを借用し「DOI Forest」と名付けました。この場所での活動は10年間にわたって行われます。
里山資源の再評価とリジェネラティブな取り組み
土井木工の参加によって、ものづくりを通じて森づくりに関与し、地域の里山資源の見直しと森林の多機能性の向上を図ることが期待されています。これにより、環境再生型の里山づくりの実現を目指します。
具体的には、「DOI Forest」内で森林整備を行い、伐採により得られる広葉樹はオフィス・施設向けの家具材として再利用される予定です。この循環型の利用方法は、板材としての価値を見直すことにも繋がります。
放置された広葉樹の問題と解決策
過去、日本の里山では広葉樹が薪や炭として日常の生活資材として広く使用されていました。しかし、近年ではその価値が見過ごされることが多く、多くの広葉樹が放置される状況が続いています。これにより、「ナラ枯れ」が広がり、土砂崩れや獣害の原因となることも懸念されています。
ANAForestには多様な里山広葉樹が豊富に自生しており、それを活用することで昔ながらの資源循環を促進していく計画が進行中です。例えば、伐採されたアベマキを使用して製作されたテーブルは、安心して利用できる家具として注目されています。
トレーサビリティの確保と透明性の向上
土井木工で製作される里山広葉樹の家具にはIDコードが刻印され、専用のウェブサイトで原産地を簡単に確認可能です。現在、国内では違法伐採や産地偽装が問題視されており、安心な製品をユーザーに提供するためには川上から川下までをつなぐ連携が不可欠です。
今回の協定により、トレーサビリティが確保された高い透明性を持つ製品の開発が進むことで、森林整備や里山資源の利用に関する取り組みがより強化されていきます。ANAファシリティーズ、東広島市、賀茂地方森林組合と共同して、地域の森林資源の継続的な活用を推進し、サステナブルな未来を切り開いていくことが求められています。
土井木工の理念とこれからの展望
土井木工は、「人と素材にやさしい家具づくり」をテーマに、1949年に創業以来、地域の木を積極的に活用した商品開発に努めてきました。今後も、広島県、兵庫県、大阪府で収穫された地元材を使用し、持続可能な循環利用を進めていく意向です。特に、里山広葉樹を用いた家具「eda to ha」は、ウッドデザイン賞2025やひろしまグッドデザイン賞を受賞しており、地域の素材を活かした魅力的な製品を展開していくことが期待されています。
お問い合わせ先
土井木工株式会社地域材活用推進室
担当:土井崇義
電話:0847-46-3211
メール:
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