幻の写真集『最期の九龍城砦 COMPLETE EDITION』が復刊
入手が難しくなっている幻の写真集が再び世に出ることになります。株式会社玄光社が発売する『最期の九龍城砦 COMPLETE EDITION』は、2025年10月16日に発売され、かつて香港に存在した高層密集スラム街「九龍城砦」をテーマにした作品です。この写真集は、九龍城砦の最期の姿を捉えた貴重な写真を一挙に収録しており、初公開のカットも含まれています。
九龍城砦とは
九龍城砦は、最盛期には約5万人が暮らすなど、香港で特異な存在感を放っていました。1993年から1994年にかけて取り壊されましたが、その混沌とした魅力は多くの人々を惹きつけ、今なお映画やゲーム、アートに影響を与え続けています。特に、その歴史的意義と独自の建築スタイルは都市計画や社会研究の観点からも興味深い対象です。
写真集の内容
著者の中村晋太郎氏が自身の足で九龍城砦を訪れ、取り壊しが決まった当時の姿を精力的に撮影した言わば「タイムカプセル」ともいえる一冊です。現在、市場に出回っている『最期の九龍城砦 完全保存版』(2009年刊)にも載っていなかった初公開の写真が収録されています。
さらに、この写真集には九龍城砦の歴史について詳しいコラムも新たに加えられ、特典として中村氏が撮影した九龍城内部の映像を視聴できるQRコードも掲載されています。これにより、ただの写真集としてではなく、九龍城砦の全貌を知るための貴重な資料としても機能することでしょう。
著者の経歴
中村晋太郎氏は、1969年に長崎県で生まれ、東京理科大学で建築学を学びました。大学時代にはスラム研究チームに所属し、九龍城砦への現地調査を行いました。以降は建築の仕事に加え、写真家としても活躍し、多数の著書を持つ実績があります。『最期の九龍城砦』(1996年)や『胡同(フートン)物語』(2008年)など、数々の作品を通して、都市と人々の関わりを深く追求しています。
書籍情報
- - タイトル: 最期の九龍城砦 COMPLETE EDITION
- - 発売日: 2025年10月16日
- - 判型: B5判、224ページ、帯付き
- - 定価: 本体4,000円+税
- - ISBN-13: 978-4768330791
- - 出版社: 株式会社玄光社
- - Amazon販売ページ: こちらから購入
写真集の発売が近づくにつれ、九龍城砦に興味を持つ方々や、歴史的な背景に関心のある読者にとって、この一冊は必見です。幻の写真集が再び手に入る機会をお見逃しなく。