名古屋港での水素供給インフラの商業化に向けた取り組み
名古屋港において、豊田通商株式会社、大陽日酸株式会社、そして東邦ガス株式会社の三社が連携し、水素供給インフラの設計および検証を本格的に始動させることが報告されました。このプロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する水素社会構築技術開発事業に採択され、2025年6月から具体的な活動がスタートします。
背景
2022年、豊田通商と東邦ガスはNEDOの調査事業から「名古屋港を中心とした地域における水素利活用モデル構築に関する調査」に採択されました。この調査では、名古屋港の荷役機器や物流車両における水素活用の可能性や、実際の水素の製造と供給方法について詳細な検討が行われました。その結果、名古屋港コンテナターミナル周辺で、年間最大1,500トンの水素ポテンシャルがあることが確認されました。ですが、商用化を進める上でのコストや運用面の課題も視野に入れておく必要があります。
本事業の内容と目的
本事業は、2025年度内に名古屋港の物流車両や大型クレーンのような自走できない貨物機器に対応した低コストの水素供給インフラを構築することを目指します。この際、日本の保安基準に合致させながら、技術的および事業的な検証を行っていく方針です。
><<名古屋港における水素利活用プロジェクトのイメージ>>
プロジェクトのゴールは、名古屋港を「カーボンニュートラルポート」として進化させることで、2050年に達成を目指すカーボンニュートラル社会の実現に貢献することです。これにより、地域経済や環境保護にも寄与する事業として期待されています。
各社の役割
このプロジェクトにおける各社の具体的な役割は以下の通りです:
- - 豊田通商株式会社: 事業全体の取り纏めを行い、その経済性や実現性を検証します。
- - 大陽日酸株式会社: 水素供給インフラの設計指針を構築し、安全性についても詳しく検証を行います。
- - 東邦ガス株式会社: 水素の蓄圧方法に関する最適な解決策を探ることに注力します。
各社の概要
この機会に、それぞれの企業プロファイルを簡単にご紹介します:
- - 豊田通商株式会社: 愛知県名古屋市に本社を構え、1948年に設立されました。国内外での取引を主たる事業として展開しています。
- - 大陽日酸株式会社: 1910年に東京で設立された企業で、高圧ガスの製造および販売を行っています。
- - 東邦ガス株式会社: 名古屋市に本社を置き、1922年に設立。ガス事業や電気事業の展開を主としております。
このように、名古屋港における水素供給インフラの実現は、2050年のカーボンニュートラル社会を見据えた重要なステップであり、地域における持続可能な発展にも寄与することが期待されています。