変わりゆくチル消費:男性は「リセット」、女性は「ご褒美」
最近、株式会社ハー・ストーリィによる「休息・リラックス」に関する調査結果が発表されました。この調査は、ストレスの感じ方や休息の目的に性差があることを明らかにし、特に男性と女性の「チル消費」に対するアプローチの違いに注目が集まっています。
調査の概要
本調査は2025年4月18日から4月25日の期間に実施され、15歳以上の男女530名を対象に行われました。調査方法はインターネットを利用しており、男女の回答者は男性68人、女性462人という構成です。調査の目的は、日常生活におけるストレスや疲れ、その対処方法を浮き彫りにすることでした。
女性のストレス実態
調査によると、女性の82.0%が日常的にストレスを感じており、そのうち32.0%は「とてもストレスを感じている」と答えました。一方で、男性は17.6%にとどまり、女性がストレスをより強く感じていることがわかります。
女性のストレスの主な原因は、仕事(54.9%)の他に、家事・育児(43.5%)や介護(28.3%)などが含まれており、複数の役割が重なっていることが深刻な要因となっています。
疲労感の性差
疲労に関しても、女性の88.1%、男性の80.8%が日常的に疲れを感じていると述べています。特に「とても疲れている」と回答した女性は35.3%に対し、男性は17.6%という結果。女性の負担は仕事(52.1%)だけでなく、家事(36.6%)、人間関係(28.5%)、介護(8.1%)など多方面にわたっており、種々の疲労要因が交錯しています。
休息に関する目的の違い
休息やリラックスに対する欲求にも違いが見られます。男性の33.8%は「気持ちを切り替えたい」と回答し、リフレッシュを重視しています。一方、女性は「自分をいたわりたい」(42.3%)や「ご褒美をあげたい」(39.6%)と、自分自身を大切にすることを念頭に置いています。こうした違いは、休息のスタイルにも影響を与え、高い自主性を持つ女性はより多様な方法でリラックスを図る傾向があります。
休息のスタイル
具体的な行動としては、男性は「横になる」「散歩」「動画を見る」といった静的な活動を選ぶのに対し、女性は「カフェ・外食」「自宅での入浴」「ヨガ・ストレッチ」や「お菓子・料理を作る」といったアクティブで社会的な活動を好むことが浮き彫りになっています。
チル消費の進化
今回の調査からは、女性が求める「チル消費」が、“癒し”から“いたわり”へとシフトしていることがわかります。女性は休息を「ご褒美」として位置づけ、心身ともに回復させる体験を求めています。これらの傾向は、今後の消費市場において注目すべき成長領域となるでしょう。
今後の展望
消費行動の性差を考慮した商品やサービスの設計が必要です。「ご褒美」に見えるパッケージデザインや、簡単に体験できるサービスが求められると考えられます。また、SNSとの共鳴を意識した共感の共有が可能なコンテンツも重要となるでしょう。
このように、現在のチル消費の実態は男女で大きく異なっていることが把握できました。詳細な調査結果は『HERSTORY REVIEW』6月号で公開されているため、興味のある方はぜひご一読ください。
株式会社ハー・ストーリィについて
ハー・ストーリィは、女性の消費行動や心理を研究しており、1990年の設立以来、企業のマーケティングや商品開発を支援しています。女性のライフコースとライフステージに着目し、実態に基づくデータを提供しています。詳しくは、公式サイトをご覧ください。
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