スロベニアパビリオンが伝える地理的多様性と文化の調和

スロベニアパビリオンが描く地理的多様性と文化の調和

2025年大阪・関西万博において、スロベニアパビリオンはその地理的特性を生かした魅力を発信しています。この小さな国は、アルプス山脈やアドリア海、カルスト台地など、四種類の異なる地形を有しており、その自然環境が多彩な文化やスポーツを育んできました。特にスロベニアは、その特異な地理背景から多くのトップアスリートを輩出しており、2021年の東京オリンピックでは人口当たりのメダル獲得数で世界１０位に名を連ねました。

スロベニアの成功の背後には、幼少期からの体育教育とスポーツ文化の浸透があります。国は運動習慣を身近にするため、日々の生活の中で子どもたちにスポーツを取り入れる教育システムを整備してきました。このような取り組みは、スロベニア国内の健康や社会の支えにつながっています。また、日本でも同様に地域の地理的特性を生かしたスポーツの普及が進められています。

パビリオンの特徴

スロベニアパビリオンは「コモンズC館」に位置し、スロベニアのブランドスローガン「I FEEL SLOVENIA」を掲げ、国名に含まれる「LOVE」に焦点を当てています。この「LOVE」とは、自然や文化、人、食、革新など、国が重視してきた価値に対する愛を象徴しています。パビリオンのマネージャーであるペトラ・トルヤさんは、展示を通じてスロベニアが育む「愛」と来場者とのつながりを大切にしたいと述べています。

また、スロベニアパビリオンには日本語を話せるスタッフが常駐しており、来場者は直接交流しながらスロベニアの魅力を深く知ることができます。さらに、パビリオン内の６つの映像パネルでは多様なスロベニア文化が紹介されており、養蜂の歴史や伝統文化、最先端技術に関する情報が視覚的に楽しめるよう配慮されています。

スポーツと健康への取り組み

特にスポーツに関するパネルでは、スロベニアがどのようにして国民の健康をサポートしているかを紹介しています。週４．４６時間の体育授業や、SLOfitプログラムという全国の子どもの体力を測定・記録するシステムも有名です。さらに、来場者はVRゴーグルを装着して、バーチャルサイクリングを楽しむことができます。アルプスやアドリア海の美しい自然を体感しながら、地理的な多様性とスポーツ文化との関係を直感的に理解できる機会を提供しています。

9月26日のナショナルデー

特に注目すべきは、９月26日に行われるスロベニアのナショナルデーです。この日、特別な式典では、世界最古の楽器とされるネアンデルタール人のフルートを用いたパフォーマンスが行われます。また、スロベニアの民謡や近代音楽のコラボによる壮大な表現も楽しめます。オペラ歌手のイレナ・プレダさんによる日本語での「ふるさと」の歌唱も特別な瞬間を演出するでしょう。

さらには、スロベニアのポピュラー音楽や民謡も体験できるなど、文化の多様性を一堂に体感できるイベントが用意されています。このように、スロベニアパビリオンは、ただの展示に留まらず、文化とスポーツ、未来を考える場として重要な役割を果たしています。