第2回DENTOサポートプログラムの概要
特定非営利活動法人DENTOが実施するDENTOサポートプログラムの2025年度受賞者が発表されました。このプログラムは、日本の伝統工芸を守り、担い手を支援することを目的としています。2024年から始まったこのプログラムは、全国から多くの工芸事業者からの応募を受け付けており、今年も活気ある取り組みを見せています。
受賞者の選定
本年度の公募期間には、合計21件の応募が寄せられました。一次審査を通過したファイナリストには、以下の7名が選ばれました(50音順):
- - 井上 みどり(土佐手漉き和紙)
- - GLASS-LAB株式会社(江戸切子)
- - 株式会社金剛組(宮大工)
- - 須佐 真(鎚起銅器)
- - 有限会社中村ローソク(和蝋燭)
- - 有限会社南條工房(京仏具・佐波理製鳴物神仏具)
- - MORI KOUGEI(ツキ板工芸)
厳正な二次審査の結果、各賞の受賞者が決まりました。
受賞者とその魅力
金剛組
金剛組は1400年以上の歴史を持つ宮大工で、神社仏閣の建築に携わってきました。この工務店は、世界最古の企業として知られ、伝統技術がユネスコの無形文化遺産に登録されています。現在、後継者不足が問題視されていますが、金剛組は若手職人育成のために「匠育成塾」を設立し、伝統技術の継承に力を入れています。
審査委員会からは、「同社の取り組みは日本文化の保存に欠かせない」との評価を受けました。
中村ローソク
和蝋燭の伝統を受け継いでいる中村ローソクは、1887年に京都で創業。元々は神社仏閣用の蝋燭を製造していましたが、現在では家庭用の和蝋燭も手掛けています。和蝋燭の文化は日本の美意識を形成してきましたが、近代化に伴いその使用が減少しています。中村ローソクは再生に取り組み続けており、特別なイベント用の蝋燭なども製作しています。
審査員は、中村ローソクの活動が日本独自の灯り文化を今後も守り続けることに貢献することを評価しました。
南條工房
南條工房は、江戸時代後期から300年近くの歴史があり、銅と錫を使用した「鳴物神仏具」の製造を行っています。手作業にこだわり、多様な製品を提供することで、伝統文化を現代に適応させています。彼らは地域の技術を生かしつつ、新たな形での発信にも取り組んでいます。
審査委員会からは、サステナブルな取り組みが評価され、今後の発展が期待されています。
DENTOアワーズの受賞者
工芸アワードでは、須佐 真とMORI KOUGEIが評価されました。
須佐 真は、鎚起銅器の新たな表現に挑戦しており、独特のデザインで進化を続けています。MORI KOUGEIは、伝統的な技法と現代のデザインを融合させたプロダクトを展開しており、特に藍漆を用いた作品が高く評価されています。
まとめ
DENTOのサポートプログラムは、伝統工芸の未来をつなぐ重要な役割を果たしています。今後も日本独自の文化を受け継ぎ、さらなる発展を支援することに尽力するDENTOの取り組みに、期待が高まります。来年度も同様のプログラムを実施予定ですので、興味をお持ちの方はぜひお問い合わせください。