帯広の大雪の原因
2025-07-07 10:03:47

帯広で発生した記録的なドカ雪の原因を解明した研究

帯広に降り注いだ記録的なドカ雪



2025年2月3日から4日にかけて、北海道・十勝地方の帯広では12時間の降雪量として国内観測史上最高の120㎝を記録するという、非常に大きな雪が降りました。この大雪は「ドカ雪」として知られ、多くの地域に影響を及ぼしました。特に交通の混乱や建物への被害が報告されています。この異常気象の背景には、海面水温の急激な上昇を生じさせる「海洋熱波」と、低気圧や前線といった気象条件が複雑に絡み合っていたことが研究によって示されました。

研究の概要



立正大学・平田英隆准教授をはじめとした研究チームは、大雪の原因を徹底的に調査し、海面水温の異常高温が影響を及ぼしたことを解明しました。特に、黒潮から切り離された暖かい海水を含む海の渦の存在が大雪を引き起こす要因であることが確認されました。

本研究の結果は、2025年7月3日に国際学術誌「Scientific Online Letters on the Atmosphere(SOLA)」に早期オンライン公開されました。この研究の重要な意義は、海洋の状態が如何にして極端な気象現象、特に豪雪の発生に寄与するかを明らかにした点にあります。

過去の大雪との関係



2023年9月に千葉県で発生した豪雨も、同様の黒潮の動きが影響を与えている可能性が示されています。このことから、黒潮の変動が日本各地で発生する気象現象に強く関与していることが浮かび上がってきます。研究の結果、豪雨や豪雪のメカニズムを理解するためには、海洋状態の変化を適切に観測・予測することが重要であるとされています。

異常気象としての大雪



北海道の南西の日本海上には、温帯低気圧が存在し、この低気圧によって引き起こされた強い南東の風が、海から十勝平野へと吹き込んでいました。この状況は、暖かい海水が供給されることで、湿気や熱が上空の大気に供給され、さらなる雪雲の発達を促しました。

特に、研究の解析により、帯広の降雪量が海洋熱波の影響で約2倍に増加したことが示されています。海流の動きがどのように日本周辺の気象に関与するかを理解することは、今後の気象予測において極めて重要です。

今後の研究展望



この研究によって、地球温暖化が進行する中で、海面水温の上昇が豪雨や豪雪災害の要因としていかに重要であるかが示されました。温暖化が引き起こす海洋熱波は、極端な気象現象の発生に密接に関連しており、その影響を考慮した防災対策の重要性が改めて認識されています。今後の研究では、黒潮の動向や海洋熱波の影響をさらに詳しく観察・分析し、気象トレンドを予測するための手法を確立することが求められます。

まとめ



帯広のドカ雪は、ただの偶然の産物ではなく、複雑な気象システムと海洋の影響が組み合わさった結果でした。このような異常気象のメカニズムの理解は、今後の気候変動やそれに伴う災害予測において、非常に重要な知見となるでしょう。研究者たちの努力により、私たちが直面する極端な気候現象の背後には、どのような力が働いているのかが少しずつ明らかになっています。


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