板橋区の新たな物流拠点がグッドデザイン賞を受賞!
2025年度のグッドデザイン賞を受賞した「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」は、板橋区に位置し、三井不動産、日鉄興和不動産、日鉄エンジニアリングの共同開発による先進的な街づくり型物流施設です。この施設は「街とつながる都市型物流施設」というコンセプトを基に、地域の住民と密接に連携した機能を備えており、特に防災への取り組みが高く評価されています。
街づくりへの挑戦
本施設は、板橋区舟渡に構えており、近隣の住民のニーズに応えながら災害に強い拠点の形成を目指しています。地域の水害対策を強化するための施策として、2021年に官民連携の形で都市計画が決定され、都市型物流施設としては最大規模を誇るこのプロジェクトが動き出しました。
特に、地域住民の安全と安心を第一に考えた設計が施されており、板橋区と事業主、設計者が集まり、防災上の効用や地域に資する機能について協議を重ねてきました。その結果、様々な機能を兼ね備えた物流施設としての形が整いました。
デザインの特徴
この物流施設には、開放的な三つの広場や遊歩道が整備されています。高台広場は地域住民の憩いの場となるだけでなく、水害発生時の垂直避難所としても機能します。また、デッキ通路を通じて街と接続され、日常的に使える場所として多くの人々に親しまれることを目指しています。
さらに、施設内には1,000人の退避者を受け入れるための緊急一時退避場所が設置され、災害時には支援物資の保管・配送拠点としても機能します。このように、防災対策が施された施設は、地域住民にとっての大きな安心材料となります。
環境への配慮
環境問題への対策も重要視されており、外構緑化率の向上やZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)認証の取得を目指す設計が行われています。屋根面には太陽光発電設備が設置されており、施設の電力需要の85%を賄うことが見込まれています。その余剰電力は、近隣の学校に供給されることで、地域全体のカーボンオフセットにも寄与しています。
受賞の背景
グッドデザイン賞の審査委員からは、「地域住民の生活の側に防災機能を備えることは大きな安心につながる」という評価を受け、この物流施設は政府・自治体との協働による優れた事例として位置づけられました。新しい街づくりのアプローチとして、物流施設と地域社会を結びつける取り組みが評価されているのです。
まとめ
「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」の受賞は、単なる物流施設の設置ではなく、地域社会全体にとっての価値や安全を再考する契機となりました。今後、このようなモデルが全国各地で広まることが期待されます。板橋区の「MFLP・LOGIFRONT東京板橋」は、今後も地域とともなって発展し、災害に強い未来の街づくりを推進していくことでしょう。