トロデルビの承認
2024-09-24 15:42:59
トリプルネガティブ乳がん治療に新たな希望、トロデルビの日本承認
トリプルネガティブ乳がん治療の新たな選択肢、トロデルビの製造販売承認
乳がんの中でも特に治療が難しいとされるホルモン受容体陰性かつHER2陰性(HR-/HER2-)のトリプルネガティブ乳がんに対する新たな治療薬、「トロデルビ(R)点滴静注用200mg」が、日本において製造販売承認を得ました。この薬は、化学療法歴のある手術不能または再発の乳がん患者に向けたものであり、がん治療における新たな選択肢の登場と注目されています。
トロデルビの開発背景と効果
ギリアド・サイエンシズ株式会社が開発したトロデルビは、抗体薬物複合体(ADC)として、特にTROP-2たんぱくを標的に設計されており、治療歴を持つトリプルネガティブ乳がん患者に新たな治療の選択肢を提供することを目的としています。トロデルビの承認は、海外における第III相臨床試験(ASCENT)および国内で実施された第II相臨床試験(ASCENT-J02)の結果に基づいており、両試験では本剤の有効性と安全性が示されています。
トリプルネガティブ乳がんについて
トリプルネガティブ乳がんは、乳がん全体の約10%を占めており、非常に悪性度が高いとされています。このタイプのがんは、エストロゲンやプロゲステロンの受容体を持たず、HER2の発現もほとんどないため、他の乳がんに比べて効果的な治療法が限られています。そのため、再発や転移のリスクが高い病気です。平均生存期間も短く、さまざまな治療法が試みられている中で、トロデルビの登場は朗報となります。
ASCENT試験の結果
ASCENT試験では、529名の被験者がサシツズマブゴビテカン群と医師選択治療群に無作為に分けられました。この試験によって、サシツズマブゴビテカンの無増悪生存期間(PFS)が有意に改善され、全生存期間(OS)も大幅に延長されたことが明らかになりました。また、ASCENT-J02試験についても、重要なデータが得られています。これにより、新たな治療選択肢としての実力が裏付けられました。
医療従事者からの期待
名古屋市立大学の岩田広治教授は、トリプルネガティブ乳がん患者やその家族にとって、この薬剤の承認は非常に喜ばしいものであると語っています。再発や転移が起きやすく、厳しい予後が見込まれるトリプルネガティブ乳がん患者にとって、トロデルビは生存期間を延ばす新たな選択肢となり得ることが期待されています。
ギリアド・サイエンシズの誓い
ギリアド・サイエンシズは、がんを含む生命を脅かす疾患に対して革新的な治療薬を開発することに熱心に取り組んでおり、トロデルビの日本での承認は、同社のがん治療に対するコミットメントを示しています。同社の社長、ケネット・ブライスティング氏は、今後も患者に対して新たな治療薬を届けるために努力し続ける旨を強調しています。
トロデルビは、再発・転移性のトリプルネガティブ乳がん患者に向けた第一歩であり、多くの人々にとって希望の光となることが期待されています。
この新しい治療選択肢により、今後の乳がん治療がどのように進化を遂げていくのか注目が集まります。
会社情報
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ギリアド・サイエンシズ
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