はじめに
日本が2050年に向けてカーボンニュートラルを目指す中、各業界でのCO₂排出量削減が急務となっています。特に建設業界では、施工に伴うCO₂排出量の管理が大きな課題です。そんな中、株式会社リバスタとアスエネ株式会社による業務提携が発表され、注目を集めています。
背景
近年、政府の方針により建設業界でもCO₂排出量の可視化が求められるようになりました。工事の入札や評価において、環境への配慮が重要視されるようになり、建設会社は自らの排出量を公開し、削減への取り組みを示さなければなりません。ただし、多種多様なプロジェクトが存在するため、現場ごとの排出量を把握・管理するには膨大な労力がかかります。
さらに2024年4月から適用される時間外労働の上限規制により、業務の効率化が一層求められる状況となっており、このような課題解決が期待されている提携が実現しました。
両社の強み
リバスタの取り組み
リバスタは、電子マニフェストサービス「e-reverse.com」を提供し、産業廃棄物管理の効率化に貢献してきました。また、2024年4月からは建設業に特化したCO₂排出量の可視化クラウドサービス「TansoMiru」を立ち上げる予定です。このサービスにより、現場単位でのCO₂排出量を可視化し、業務負担を軽減することが狙いです。
アスエネの強み
アスエネは、企業向けにサプライチェーン全体のCO₂排出量を見える化し削減するクラウドサービス「ASUENE」を展開しています。また、脱炭素化に関連するコンサルティングサービスも提供しており、企業の持続可能経営を支援しています。これによりリバスタとアスエネが連携することで、より高度なサービスが期待できます。
具体的な提携内容
両社は今回の業務提携により、以下の取り組みを進めていく方針です。
1. データ連携
リバスタが提供する「TansoMiru管理」からアスエネへデータを連携し、炭素排出データを一元化して分析が行えるようにします。これにより、顧客への適切な提案が可能となります。
2. 脱炭素コンサルティング
顧客の要望に応じて、アスエネ主導でのコンサルティングサービスを展開します。また、建設現場に特化したCO₂排出量削減のための施策についても、両社での連携を深めていきます。
3. 新たなソリューションの開発
カーボン・クレジットの売買サービスや新たなソリューション提供の可能性についても協議し、今後の発展を目指します。
結論
リバスタとアスエネの提携は、脱炭素経営の実現に向けた大きな一歩です。業界全体のCO₂排出量削減に向けて、彼らの革新的なサービスがどのように展開されていくか今後の動きに注目です。この連携を通じて、持続可能な社会の実現に寄与することが期待されています。