NOKが中国・無錫に新技術センターを設立しEV市場への対応を強化
NOK株式会社が、2025年3月に中国の無錫で新たに設立した「NFC技術センター」で、電動車(EV)市場の需要に対応する体制を強化しています。この技術センターは、地元の開発力を活かしながら、NOKグループのシール事業を統括しているNOK-Freudenberg Chinaが管理しています。また、その傘下には最大の生産拠点となるWuxi NOK-Freudenberg Oilseal Co., Ltd.(WNF)があります。
新棟は地上4階建てで、延べ床面積は24,630㎡にも及び、設計や実験、営業の機能が集約されています。これにより、部門間の連携が強化され、開発スピードも向上する見込みです。現在、このセンターには約200名の社員が従事しており、新たな成長ドライバーの創出に向けた取り組みが進められています。
技術センター設立の意義
NFC技術センターの設立は、2023-2025中期経営計画における「新たな成長ドライバーの創出」という重要課題に沿ったものです。NFCは、NOKグループのモノづくり理念である「Essential Core Manufacturing」を体現しながら、グローバルな技術連携と現地開発の両立を目指しています。
この新技術センターは、特にEV関連製品の需要拡大に対応するために設置され、現地顧客向けの新製品開発力の強化が期待されています。また、工程改善によりコストの低減や開発スピードの向上に寄与することが狙いです。
製品開発の未来
NFC技術センターでは、モビリティ分野における足回りやバッテリー向けの高機能シール製品の開発を中心に、新たな成長の展望を広げています。また、一般産業機器向け製品やロボット技術にも力を注ぎ、幅広い分野にて革新的な解決策を提供する姿勢を貫いています。
WNFの30年の歴史
WNFは1995年に設立され、以来、日本や欧米の自動車メーカー向けに高品質のオイルシールやOリングを提供してきました。また、中国のEV市場においても自社の技術を活かし、製品開発を推し進めています。近年は、バッテリー用シールや熱マネジメントシールといったEV向け製品が注目を集め、着実に成長を遂げています。
開所式の様子
5月29日には、NFC技術センターの開所式およびWNF創立30周年記念式典が盛大に行われました。ここでは、NOK株式会社シーリングソリューションCEOの折田純一氏とNFCの総裁である黄鳴曦氏が挨拶し、今後の成長に向けた意気込みや地元への貢献について述べました。
折田氏は、「新棟は新たな市場に向けた生産工場であり、技術開発の要ともなります」と力強く語りました。一方で、黄氏は「この施設は新たな成長の章の始まりであり、地域経済の発展に貢献していきます」と述べました。これにより、両グループのリソースを駆使し、EVやグリーンエネルギー分野での発展に寄与していく意思を表明しました。
NOKの展望
NOKグループは「Essential Core Manufacturing」をモットーに、世界各国で約38,000人を擁しており、自動車や産業機器、医療機器に至るまで、さまざまな分野での技術開発に取り組んでいます。今回のNFC技術センターの設立は、この挑戦の一環として、新たな市場でのニーズに応えるべく、将来的な成長を見越した重要なステップとなります。今後もNOKグループの進化から目が離せません。