冬の幻想が彩る飛騨市「三寺まいり」に行こう！

飛騨市の冬の風物詩「三寺まいり」

毎年1月15日、岐阜県飛騨市では伝統行事「三寺まいり」が開催されます。この行事は、浄土真宗の宗祖である親鸞聖人の命日を迎えるにあたって、地域の人々が3つの寺院を順に参拝するもので、200年以上もの歴史を持っています。

歴史と抑揚のある行事

「三寺まいり」の歴史は、江戸時代まで遡ります。明治と大正時代の頃には、飛騨を離れ、糸引きのために信州へ出稼ぎに出た女性たちが、この日を迎えるために戻ってきたとされています。彼女たちは身を清め、そして華やかに着飾って寺社を巡ることで、男女の出会いを生み出しました。今ではこの行事は縁結びの意味も持つようになり、多くの人々に親しまれています。

幻想的な灯りに包まれる街

行事の当日、正午からは「門前市」というイベントも開催されます。ここでは飛騨の名物グルメを堪能できる機会があり、地方の特産品や料理が集まります。特に、岩魚の塩焼きや五平餅といった飛騨の味は、この時期ならではの楽しみです。
夜になると、瀬戸川に白いろうそくが流され、町の通りには高さ2メートルの雪像ろうそくが並びます。その様子は、厳しい冬の寒さの中で、まるで別世界のように幻想的で心温まる光景です。

点灯式と灯りの川

午後4時からは「点灯式」が行われ、飛騨市の観光協会長や市長らによって雪像ろうそくに火が灯されます。この瞬間から「三寺まいり」の始まりを告げるのです。
また、瀬戸川に流されるろうそくは、白いろうそくには願いを込めて、赤いろうそくには感謝の思いを込めて灯されます。これらのろうそくの光は、雪に包まれた川を優しく照らし、参加者の心に温かさを与えてくれます。