新会社MY MEDICAの設立
2025年2月7日、新たに設立された「株式会社MY MEDICA」が自動車運送業界向けの健康管理サービスを開始します。ヤマトホールディングス株式会社(以後、ヤマトHD)とアルフレッサ株式会社が共同で立ち上げたこのサービスは、従業員の健康維持と重症化予防を目的としています。
背景と目的
自動車運送業は特有の健康リスクを抱えています。労働時間が長く、年齢層が高いことから、特に50歳以上の従業員が多く見られるのが現状です。このような背景の中で、高血圧や糖尿病といった生活習慣病が進行するリスクが高まっています。特に自覚症状が少ないため、未治療、または治療を中断してしまうことで、重病に至る可能性も少なくありません。
2021年6月からは、健康診断を受けない運転者に対して行政からの処分が課されるようになっており、従業員の健康管理は急務です。ヤマトHDとアルフレッサは、2019年に医薬品流通に関する研究会を設立し、医療環境の構築に取り組んできました。その中で、ライフスタイルに合わせた医療アプローチが未治療者の早期治療に役立つという結論に至り、オンライン医療サービスの開発に踏み切りました。
MY MEDICAのサービス概要
「MY MEDICA」は、自動車運送業界の従業員を対象とした新たな健康管理サービスです。このサービスはオンラインを基盤とし、利用者は自宅から簡単に医療の受診が可能になります。これにより、忙しい従業員でも受診の機会を逃すことなく、健康維持に努めることができます。具体的には、健康診断の結果に基づくフォローアップや必要に応じた再検査をサポートし、患者が適切な医療サービスを利用できる環境を提供します。
利用の流れはシンプルで、まずは健康診断を受けた後、必要な場合にオンラインで診察を受け、治療を開始することができます。このプロセスにより、従業員は自らの健康を管理しやすくなり、未受診や治療中断のリスクを軽減できるのです。
両社のコメント
ヤマトHD代表取締役社長の長尾裕氏は、「当社は物流企業として公道を利用し事業を行っているため、従業員の健康管理は不可欠です。『MY MEDICA』を通じて、業界の健康課題に取り組むことで、従業員の健康起因事故を防ぎたい」と語りました。
また、アルフレッサの代表取締役社長である福神雄介氏は、「企業健診制度を最大限活用し、従業員が忙しい中でも医療を受けやすくするために、オンライン医療の利用を推進していきます」と述べ、従業員の健康確保に向けた意気込みを示しました。
今後の展望
新設されたMY MEDICAは、業界における健康管理の新しいスタンダードとしての役割を果たすことを目指しています。2023年12月からのトライアル実施時には、再検査受診率が98%に達し、健康状態の改善が確認されるなど、既に一定の成果を上げています。今後も継続的にサービスの質を向上させ、より多くの従業員が健康維持に努められるように支援を行います。
このような取り組みを通じて、MY MEDICAは自動車運送業界の健康管理を革新し、さらなる成長を遂げていくことが期待されています。