ダッソー・システムズ、3DEXPERIENCEプラットフォームで脱炭素化を加速
ダッソー・システムズは、同社の3DEXPERIENCEプラットフォームが、持続可能な開発のための世界経済人会議(WBCSD)が主催する「炭素の透明性のためのパートナーシップ(PACT)」に準拠したソリューションとして認定されたと発表しました。
この認定は、企業がサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量を正確に把握し、削減目標の達成に繋がる大きな一歩となります。3DEXPERIENCEプラットフォームは、製品開発におけるバーチャル化技術を活用し、これまで製品開発プロセスを変革してきた実績があります。そして今、その技術は、脱炭素化されたバリューチェーンの構築という新たな課題にも対応できる段階に達しました。
PACT準拠による透明性の向上とデータ共有
PACTは、バリューチェーン全体(スコープ3)の温室効果ガス排出量データを正確に算出し、効率的に共有するための国際的な基準です。この基準に準拠した3DEXPERIENCEプラットフォームは、企業が自社の製品ライフサイクルにおける環境負荷を正確に把握し、透明性を高めることを可能にします。
従来、サプライチェーンにおける排出量データはメールなど非効率的な手段でやり取りされることが多く、情報共有の遅れやデータの不正確さが課題となっていました。しかし、3DEXPERIENCEプラットフォームは、人、アイデア、データ、そしてソリューションを統合したバーチャル環境を提供することで、企業活動全体をリアルタイムに可視化し、迅速かつ正確なデータ共有を促進します。
3DEXPERIENCEプラットフォームの機能とメリット
3DEXPERIENCEプラットフォームは、単なる設計ソフトウェアではありません。それは、企業全体の活動を包括的に管理し、イノベーション、生産、取引における新しい手段を提供する、統合的なプラットフォームです。
リアルタイムの可視化: バリューチェーン全体における活動をリアルタイムで可視化することで、環境負荷の高いプロセスを早期に特定し、迅速な対応を可能にします。
データの安全な共有: PACT準拠のデータ交換機能により、企業とサプライヤー間で安全かつ効率的に炭素排出量データを共有できます。
正確な排出量算定: 製品ライフサイクル全体における排出量を正確に算定することで、より効果的な削減策を講じることができます。
持続可能な意思決定: 透明性の高いデータに基づいて、環境に配慮したビジネス上の意思決定を行うことができます。
ダッソー・システムズの取り組み
ダッソー・システムズは、2024年6月に3DEXPERIENCEプラットフォームの相互運用性に関する検証を完了しており、PACTの技術規格への適合性を確認済みです。同社のインダストリー、マーケティング、サステナビリティ担当エグゼクティブ・バイス・プレジデントであるフローレンス・ベルゼレン氏は、「バーチャル世界は、より持続可能な経済活動を促進するための重要な基盤です。」と述べており、デジタル技術による脱炭素化への貢献に強い意欲を示しています。
まとめ
ダッソー・システムズの3DEXPERIENCEプラットフォームのPACT準拠認定は、企業の脱炭素化に向けた取り組みを加速させる重要な一歩です。このプラットフォームは、透明性、効率性、そして持続可能性という3つの要素を兼ね備え、企業がサプライチェーン全体での排出量削減目標を達成するための強力なツールとなるでしょう。今後、ますます注目されるであろうサステナビリティ分野において、3DEXPERIENCEプラットフォームは重要な役割を果たしていくと期待されます。