旭化成ファーマ、PNHの新しい治療薬配送サービスを発表
旭化成ファーマ株式会社は、2024年9月から発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)治療薬『エムパベリ皮下注1080mg』を患者さんの個人宅に直接配送する新サービス「emLine(エムライン)」を提供すると発表しました。このサービスは、特殊な流通体制を整えたSPLine株式会社との提携により実現しました。
emLineサービスの特徴
この新たな配送サービスでは、患者さんが自宅で『エムパベリ』を受け取ることができ、これまでの通院や薬剤運搬の負担を軽減します。特に、最近発売された本製剤は自己投与が可能で、厳重な温度管理を要するため、患者さんの手間を省くことが重要です。薬剤の品質を保つため、2~8℃の環境で保存される専用の輸送ボックスが使用され、患者さんごとに専用の配送業者が手配されます。
書類手続きとQOLの向上
患者さんは、ターゲットとなる日時に自宅へ薬剤が届くため、通院の回数が減り、移動のストレスが軽減されます。また、薬剤が適切に管理された状態で届けられるため、患者さんのQOLの向上にも寄与することが期待されています。旭化成ファーマでは、これまでにもQOL向上に向けた支援に力を入れており、新たな配送サービスがさらなる貢献を果たすと考えています。
PNHとは
発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、稀な血液疾患であり、生命を脅かす可能性があります。補体を介した消耗性の溶血性貧血や骨髄機能不全を引き起こし、血栓症のリスクを高める要因にもなります。日本国内では、約927人の患者さんが確認されており、治療法の選択肢が限られています。
社会的な責任と未来のビジョン
会社は「ひとりひとりの“いのち”に真摯に寄り添い、豊かなアイデアと確かなサイエンスで、アンメットメディカルニーズを解決する」ことをミッションに掲げています。患者さんやその家族、医療関係者の意見を大切にし、在宅での満足度の高い治療を目指しています。また、「病気を理由に、やりたいことを諦める人を、ゼロにする」という未来のビジョンを追求しています。
この新しい試みが、多くのPNH患者には希望をもたらし、在宅治療がしやすくなることが期待されています。旭化成ファーマは今後も、患者に寄り添った取り組みを続けていくことでしょう。