小清水町防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」が新たな防災訓練に挑戦
北海道の小清水町に新たに設けられた防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」が、2025年1月26日(日)に初めての全館停電を伴う防災訓練を実施します。この取り組みは、全国でも初めての試みであり、フェーズフリー認証を受けた複合機能施設での訓練として大きな注目を集めています。
「ワタシノ」は、日常生活と災害時の両方で地域住民が集える場所を目指して2023年4月に開業し、町のにぎわいと持続可能な発展を促進することを目的としています。2018年に起こった北海道胆振東部地震による教訓から、地域住民が安心して暮らせる「災害に強いまちづくり」が求められ、この複合庁舎が誕生したのです。「フェーズフリー」のコンセプトを基に、日常の生活を充実させる機能(コミュニティスペース、カフェ、ランドリー、フィットネスジムなど)を統合し、災害時には防災拠点としての役割を果たせるように設計されています。
この防災訓練では、全館停電が想定されており、施設の運営体制の確認や避難所としての初動対応を実施します。参加者が不安なく避難できるよう、訓練を通じて機能性の検証が行われます。また、訓練中に発生した問題点は、地域の運営団体や連携企業と共に改善し、安全で安心な環境づくりに役立てます。
「ワタシノ」では、日常生活の中で地域民同士や役場職員との交流の場を提供することにより、共助の文化を育んでいます。オープンから1年の時点で、施設利用者はオープン前の役場利用時と比べて実に25倍に増加し、地域のつながりが深まっています。これにより、災害時の相互支援を促進し、災害に対する耐性を高めていくことが期待されています。
この訓練は、小清水町元町の防災拠点型複合庁舎「ワタシノ」で実施され、8時から11時20分までの間に様々な訓練内容が行われる予定です。具体的には、停電時の運営訓練、自主避難訓練、避難所活用法の説明、火災発生時の避難訓練、炊き出し訓練など、多岐にわたります。
防災訓練の主要スケジュール
- - 8:00 停電時運営訓練: 施設の電力供給を停止し、非常用発電機を使用して運営の模擬確認を行います。
- - 9:00 自主避難訓練: 住民が自宅から「ワタシノ」への避難を実施。
- - 10:30 施設火災による避難訓練: 火災が起こったと仮定して、円滑な避難誘導を行います。
- - 10:55 炊き出し訓練: NPO法人による炊き出し訓練を行います。
防災訓練は、悪天候により中止される場合がありますが、その詳細は事前に地域のホームページなどで告知されます。特にこの「ワタシノ」では、日常の利用を通じて、非常時にも役立つ施策を実践し、住民が安心して暮らせる環境を提供することを目標としています。
この取り組みは、町民が互いに助け合う文化をさらに強化するだけでなく、地域の防災力向上の礎となるでしょう。今後も小清水町は、「ワタシノ」を中心に防災に取り組む姿勢を強化し、安心して暮らせる地域を築いていくことが期待されます。