泉岳寺駅地区の再開発が始動
東京都港区に位置する泉岳寺駅が、新たな国際交流拠点として生まれ変わります。東急不動産株式会社と京浜急行電鉄株式会社によって構成されたコンソーシアムが進めるこの再開発事業は、2024年11月1日から新築工事を開始します。これは、駅利用者の増加に伴う利便性と安全性の向上を図ることを目的とし、特に国際交流を促進する重要な拠点です。
駅機能の強化と大規模なまちづくり
泉岳寺駅は羽田空港へ直結する京急線、そして都心と成田空港を結ぶ都営浅草線が交差する位置にあり、そのアクセスの良さが際立っています。さらに周辺ではリニア中央新幹線の開業準備が進められ、JR東日本の品川車両基地跡地活用が検討されています。このような背景から、泉岳寺駅の利用者は今後更に増加すると見込まれ、その対応が急務とされています。
そのため、新たに建設される計画建物は、周辺の鉄道施設・幹線道路と一体となった都市基盤を整備し、3つの主要駅と地域が密に繋がるよう設計されています。具体的には、泉岳寺駅コンコースとの接続や高輪ゲートウェイ駅、品川駅とのデッキ接続を実現。その結果、効率的な交通結節点としての役割が期待されます。
環境配慮と革新的なデザイン
新たな建物のデザインは、著名な建築デザイナーである重松象平氏が担当します。彼の拠点であるOffice for Metropolitan Architecture(OMA)は、感性と科学的根拠を融合させたデザインを得意としています。新しい建物は、国際交流拠点としてのランドマークとなることを目指し、外観デザインには環境への配慮も組み込まれています。
具体的には、建物の外壁には外装ルーバーが設けられ、日射量に応じた調整が施されることで、建物内に入る日射量が効果的に管理されます。また、ゼロエネルギー住宅(ZEH-M)やネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)を目指す設計が導入され、省エネルギー化に貢献することとなっています。
2031年度完成予定
このプロジェクトの完成は2031年度を予定しており、東京都や特定建築者である東急不動産、京急電鉄が一丸となって取り組んでいます。再開発後には、国内外の旅行者や地元住民にとって利用しやすい、新しいランドマークとして機能することが期待されています。
建物の概要として、地上30階地下3階の規模で、約8,490㎡の敷地に延床面積は約112,300㎡。その中には住宅、事務所、店舗、地下鉄駅施設、子育て支援施設など多岐にわたる用途が計画されています。施工は鹿島建設が担当し、アクセスや利便性の向上が図られています。
泉岳寺駅が国際交流の重要拠点として新たに幕を開けるこの計画、今後の進展に注目です。