ITサービス業界向け品質ベンチマーク調査が始動
株式会社日本能率協会コンサルティング(以下、JMAC)は、公益社団法人企業情報化協会(IT協会)の協力を得て、「ITサービス業界向け品質ベンチマーク調査」を新たに開始しました。この調査は、IT業界特有の品質保証体制に関する実態や課題を明らかにすることを目的としています。
調査の背景
近年のIT業界は、クラウドサービスやAI技術の普及、さらにはセキュリティ対策の強化が求められる環境に変化しています。また、働き方改革や労働人口の減少なども影響を及ぼし、IT技術者の確保が重要な課題となっています。さらに、開発手法もウォーターフォール型からアジャイルやノーコード/ローコード開発へと変遷しています。これらの変化に適応するため、品質保証の取り組みも進化が必要です。
調査の目的
今回の品質ベンチマーク調査では、ITサービスを提供する企業が直面している品質関連の問題を特定すべく、以下の視点から調査を実施します。
- - 品質コストおよび失敗コスト
- - 品質関連組織のスタッフ数
- - 品質部門におけるガバナンスの実態
- - プロジェクトの品質成熟度
- - 将来的な品質部門の課題
これにより、自社の品質保証レベルを他社と比較し、今後の戦略に生かすことが期待されています。
調査の実施方法
調査はWEB形式で行われ、参加企業には特定のURLが発行されます。設問数は約30問で、選択肢回答とともに自由記入欄も設けられています。収集されたデータは統計的に処理され、個別の会社情報は公開されないため、安心して参加することができます。
調査期間
調査は2025年5月20日から2025年6月30日の間に実施されます。参加者には、「ITサービス事業向け品質保証実態調査」の報告書が提供されるほか、報告会への優待参加も行われます。この報告会では、結果を基にした今後の課題提言が予定されています。
IT業界における品質保証の重要性
現在、IT業界では質の高いサービス提供が求められており、品質保証の重要性はますます高まっています。しかし、これまではシステムやソフトウェアに関する統計データは存在しても、組織的な情報は不足していました。この調査では、組織全体の品質保証体制に焦点を当て、多方面からのアプローチで実態を明らかにします。
まとめ
日本能率協会コンサルティングとIT協会が協力して進めるこの調査は、ITサービス業界の品質保証向上に向けた重要なステップです。企業はこの調査を通じて他社の実態を把握し、自社の品質向上に役立てていくことで、競争力を高めることができるでしょう。調査結果の発表は2025年夏を予定しており、多くの企業にとって有益な情報を提供することが期待されています。