さいたま市が支援する製造業向け技術ニーズの公開とマッチング事業の概要

さいたま市が進める製造業向けオープンイノベーション「BIZ SAITAMA」

埼玉県さいたま市は、地域のものづくり企業を活性化させるため、オープンイノベーション事業「BIZ SAITAMA」を推進しています。今年の4月7日に公開されたウェブサイトでは、2025年度の技術ニーズが明らかにされました。この取り組みは、製造業の技術的課題を解決するため、多様な企業からの提案を募り、マッチングを行うことを目的としています。

2025年度の技術ニーズとは？

「BIZ SAITAMA」では、さいたま市のリーディングエッジ企業や東証プライム市場に上場している企業など、22社が抱える30件の技術ニーズを公開しました。これらニーズは、企業が直面する具体的な技術課題として整理されており、提供できる技術やサービスを持つ企業からのエントリーを求めています。ウェブサイトでは、随時オンラインマッチング面談も実施予定で、参加企業は直接ニーズに対して提案を行うことが可能です。

マッチングは実績を伴いながら進展中

昨年度の2024年度においては、21社の製造業が126件の技術ニーズを持ち、国内外の中小企業やスタートアップ企業から109件の提案を受けました。この結果、91件がマッチングし、その割合は実に83.5%にのぼりました。このプロセスだけでなく、取引開始や試作品開発、NDA締結、さらにはPoC（概念実証）の計画が進む成功事例も15件発生しています。これは、企業同士の連携を通じた新たなビジネスチャンスの創出につながっています。

より具体的なニーズの一部

現在公開中の技術ニーズの中には以下のようなものがあります。

- 株式会社アルガリ: アルミ製品の量産化パートナーを募集中。
- 株式会社オフィスプリント: デジタル名刺用のプラスチックカードの生産を委託先を募集。
- マレリ株式会社: 次世代モビリティ関連の内装技術やサステナブルデザインに関するニーズ。

このように、様々な業種の企業が具体的なニーズに基づいて提案を求めている様子が見られます。

技術ニーズ説明会の開催

さいたま市では、5月28日（水）に技術ニーズ説明会を開催します。この説明会では、各技術ニーズについての詳細説明や質疑応答、さらにはネットワーキングセッションも設けられています。この機会に参加することで、より深くニーズの理解を深めることが可能です。会場はTKPガーデンシティPREMIUM大宮で、オンライン参加も受け付けています。

さいたま市産業創造財団について

「BIZ SAITAMA」を運営する公益財団法人さいたま市産業創造財団は、地域の中小企業や創業支援を行い、産業振興や市民生活の向上に寄与することを目指しています。法人はさいたま市の100%出捐により設立され、地域特色を生かした支援を行っています。

このように、技術ニーズのマッチングを通じて、ものづくり企業と提案企業の間に新たなビジネスコラボレーションの土壌を育む「BIZ SAITAMA」。製造業を支えるこの取り組みは、今後も注目されるべきプロジェクトです。