登山の本質を探る新しい指導書
登山の楽しさはその多様性にありますが、同時に安全な登山を実現するためにはしっかりとした知識や技術が不可欠です。そんな思いを込め、NHK-BSの『実践! にっぽん百名山』で知られる萩原浩司氏が新たな登山ガイド『萩原編集長の山塾2登山力』を発表しました。これまで多くの登山者から支持されてきた前著に続くこの書籍は、登山をより深く理解し楽しむための内容が盛り込まれています。
書籍の概要
『萩原編集長の山塾2登山力』は、778点もの美しい写真と詳細な説明が特徴の技術書です。登山のために知っておくべき7つの力について、パートごとに徹底的に解説されています。著者の萩原氏は長年にわたる登山の経験をもとに、安全かつ充実した登山を実現するためのノウハウを惜しみなく提供しています。特に、従来の教科書的な内容にこだわることなく、読み物としても楽しめる形式が特長です。
7つの力
1.
計画力
登山の成功を左右するのは、しっかりとした計画を立てる力です。具体的には、三百名山や百高山など、日本の名峰の特徴を豊富な写真とともに解説します。計画無くして登山は成立しません。
2.
歩行力
トレッキングポールを用いた歩行技術に重点を置き、安全に楽しく歩くための方法が詳細に説明されています。特に、疲れにくい歩き方を重視しています。
3.
装備力
過酷な自然環境を乗り切るための装備の使いこなしについてのノウハウが詰まっています。パッキングの美しさや、ほどけにくい靴ひもの結び方など、著者独自の知識が詰まっています。
4.
生活力
登山では食事や宿泊も重要です。高所での調理法や快適に寝るためのテクニックなど、非日常な環境への適応力を養います。
5.
危機管理力
遭難のリスクを理解し、それに対する対策を考える力を身につけることで、万が一の事態でも安心して登山を楽しむことができます。
6.
岳識力
山の知識を深めることで、登山の楽しみはさらに広がります。自然の観察力を高め、日本の山や動植物に関する基礎知識を学びます。
7.
感動力
山に行くことで鍛えられる五感を活用し、自然という空間を全身で感じ取る力を強調しています。これは都会では味わえない特別な体験です。
結び
この書籍は、登山に興味がある方や新たに挑戦したいと思っている方にとって、非常に有益な内容が詰まっています。登山に必要な知識を包括的に習得し、より深い体験を求める方々に強くお勧めしたい一冊です。萩原氏の豊富な経験に基づいた技術と知識が、登山者に新たな視点をもたらします。
書名: 『萩原編集長の山塾2登山力』
著者: 萩原浩司
定価: 2200円(本体2000円+税10%)
体裁: A5判 192ページ
発行日: 2024年8月20日
ISBN: 978-4-635-15035-4