2026年卒エンジニア志望学生、理想の初任給と企業選びの条件とは

2026年卒のエンジニア希望者の就職意識調査

レバテック株式会社が運営するエンジニア専門の新卒向け就職支援エージェント「レバテックルーキー」が、2026年3月卒業予定の大学生325名を対象に実施した意識調査の結果が発表されました。この調査では、就職活動を進めるエンジニア志望の学生の実態が明らかになり、特に理想の初任給、企業選びの条件、そして転職についての考え方などに注目が集まっています。

1. 先行き楽観的、約3割が内定を獲得

調査によれば、約8割のエンジニア志望学生はすでに就職活動を開始しており、内定を得ている割合は31.2%に達します。特に、就職活動を早く始めた学生の多くが、卒業前年度の6月末までに活動を開始している傾向が見られました。この結果は、早期に内定を得ることが重要だと捉える現代の就職環境を反映しています。

2. 生成AI活用が企業選びの決め手に

また、調査では約4割の学生が業務における生成AIの使用が認められている企業に対する志望度が上がると回答しました。特に、業務効率化に繋がるこの技術の活用が、ワークライフバランスへの期待と相まって魅力的に映るようです。さらに、企業の技術革新への対応姿勢が、求職者の心を掴む要因となっていることが確認され、その影響は今後も大きくなると思われます。

3. キャリア展望としての転職意識

興味深いことに、調査の結果を受けて、約6割のエンジニア志望学生が入社後の転職を視野に入れていることがわかりました。「給与アップを目指すための転職」を希望する理由として挙げている学生も多く、これは実際の働き方や年収の変動を背景にしたものと言えるでしょう。

4. 初任給に対する期待感

理想の初任給については、「28万以上～30万未満」を望む学生が最多となり、収入面でも競争がようやく厳しくなってきたことをうかがわせます。企業は優秀なエンジニアを確保するために初任給を引き上げる動きも見られますが、このバランスが崩れると社内の士気にも影響が出る可能性があるため、注意が必要です。

企業への提言

調査を受けて、レバテック執行役員の泉澤氏は「学生にとって、企業の生成AIの活用方針を明確にし、効果を示すことが企業選びの要因となり得る」とコメントしています。採用活動を行う企業はただ新卒を迎えるだけでなく、入社後のキャリアプランや処遇に関する見直しも考えていく必要があるようです。そのため、エンジニアとしてのキャリアを左右する重要な選択期を迎える学生たちへ、企業がどのように魅力を伝えるのかが今後の鍵となるでしょう。

この調査結果は、2026年の卒業を控えるエンジニア志望学生たちの意識と希望を捉えたものであり、企業はこの声を真摯に受け止めていかなければなりません。若者が活躍できる環境を整えるための継続的な取り組みが求められる時代になっています。