フィリピンに新しい再生機製造拠点を開設、循環型社会へ向けた第一歩

富士フイルムビジネスイノベーションの新たな取り組み

富士フイルムビジネスイノベーション株式会社は、2026年8月にフィリピン・ラグナ州に「Circular Manufacturing Center（サーキュラー・マニュファクチャリング・センター）」を開設する予定です。この新しい製造拠点は、アジア・パシフィック地域における資源循環の取り組みを加速する重要なステップとなります。

サーキュラー・マニュファクチャリング・センターについて

フィリピン国内にあるFUJIFILM Optics Philippines Inc.の敷地内に新たに設立されるこのセンターでは、回収した使用済み複合機を分解し、清掃・部品交換を行います。この過程を経て、新造機と同様の品質を持つ再生機が製造されます。この取り組みでは、部品リユースの割合を最大84%とし、環境負荷を可能な限り低減することを目指します。

高度な製造技術の活用

FOPH（FUJIFILM Optics Philippines Inc.）は、デジタルカメラ用レンズなどの高精度機器を扱う企業であり、これまでの製造実績から得た技術や知識を駆使して再生機の製造を行います。数多くの熟練技術者が在籍し、製造ラインの立ち上げや品質管理の面でも十分な体制が整っています。これにより、再生機製造の初期段階から高い品質を確保できる環境が構築されます。

また、製造工程においては日本国内で実績のある再生技術を導入し、フィリピンの地理的リーダーシップと相まって、効率的な生産体制を整えます。

環境への配慮と国際的な展開

富士フイルムビジネスイノベーションは、1995年に「廃棄ゼロ」を目指すリサイクル方針を正式に策定し、その後も持続可能な生産システムを築いてきました。これまで、アジアを含む複数の地域で資源循環を進めており、2008年には中国に、そして2024年にはオランダに新たな製造拠点を設立する計画を立てています。

フィリピンにおける新しいCMCの開設は、アジア・パシフィック地域での資源循環の中核を担うことを目的としており、地元経済にも寄与することが期待されています。これにより、富士フイルムは国際的な資源循環体制をさらに強化し、環境への負荷を減少させ、持続可能な社会の構築に貢献することを目指しています。