次世代肝臓モデル開発
2025-02-19 10:45:49

TOPPANホールディングスとフェニックスバイオが提携、次世代肝臓モデルの研究を促進

TOPPANホールディングスとフェニックスバイオが業務提携



TOPPANホールディングス株式会社(東京文京区)と株式会社フェニックスバイオ(広島県東広島市)は、2025年2月19日に「人工三次元肝臓組織」に関する業務提携契約を締結しました。本提携により、TOPPANの先進的な3D細胞培養技術「invivoid®」を活用し、フェニックスバイオの高品質なヒト肝細胞「PXB-cells®」を組み合わせた肝臓モデルを開発・試供することが目的です。

業務提携の目的と背景


近年、創薬研究においては治療薬の効果や副作用を予測するために、より高精度な細胞培養技術の必要性が増しています。従来の二次元細胞培養技術では生体の応答を正確に再現することが難しく、ここで「invivoid®」の開発により、より生理的な環境下での研究が可能になると期待されています。TOPPANが開発した肝臓モデルは、既存の培養技術と比べ機能性が高いことが証明されており、今後の医薬品開発における貢献が期待されています。

人工三次元肝臓モデルの特長


この新しい肝臓モデルは、生体に近い特性を持つため、創薬分野や機能性食品の研究開発でも幅広い使用が見込まれています。以下はその特長です:

1. 扱いやすさ: 組織が培養容器にしっかり接着していて浮遊しないため、従来の培養よりも簡便に操作が可能です。さらに、組織の厚さは制御されており、内部が鮮明に観察できます。
2. 高い肝機能の安定性: モデルは、各種化合物を代謝する酵素の発現が高く、毛細胆管も生体に近い構造で形成され、機能が持続します。
3. 高感度な毒性評価: このモデルを使うことで、肝臓に有害な化合物の毒性評価も高感度に行うことが可能になり、スフェロイド培養に比べて遥かに高精度な評価が期待できます。

今後の展望


試供内容は肝臓モデルと血管肝臓モデルの2種類が予定されていますが、今後、より多くの外部研究機関に供給し、共同研究を進める予定です。試供については医療や創薬の研究を行う機関向けに無償で提供され、興味のある研究者はTOPPANまたはフェニックスバイオのウェブサイトからお問い合わせ可能です。

この提携により、TOPPANホールディングスとフェニックスバイオは細胞培養技術の最前線を行くことで、創薬研究における新しい可能性を切り開いていくことでしょう。


画像1

画像2

画像3

画像4

会社情報

会社名
株式会社フェニックスバイオ
住所
広島県東広島市鏡山3-4-1
電話番号
082-431-0016

トピックス(科学)

【記事の利用について】

タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。

【リンクついて】

リンクフリーです。