ブラザー、2024日本パッケージングコンテストで技術革新を称賛される

ブラザー工業株式会社が、公益社団法人日本包装技術協会主催の「2024日本パッケージングコンテスト」で「テクニカル包装賞」を受賞しました。この賞は、包装技術の優れた発展を表彰するもので、ブラザーは新形状の小型軽量パルプモールド緩衝材を出品し、その革新性や環境への配慮が高く評価されました。

日本パッケージングコンテストは、包装の優れた技術を発展・普及させることを目的とし、さまざまな観点から包装物を評価する重要なイベントです。46回目の開催を迎えた今年、表彰項目には最高賞の「ジャパンスター賞」、包装の機能を向上させた作品に贈られる「包装技術賞」、包装合理化や改善に貢献した作品に与えられる「包装部門賞」が含まれており、それぞれの部門で約10件が表彰されました。

ブラザーが受賞した「テクニカル包装賞」は、特に保護保全性や機能性に優れた技術に与えられるもので、新しいパルプモールドの開発によって得られた成果です。ブラザーでは、事業活動の中で持続可能な資源の利用を目指し、プラスチックへの依存を減らすため再生材の利用を進めています。従来の包装に多く用いられていたプラスチック製の発泡スチロールに代わり、紙製のパルプモールドを選択しました。

ブラザーが開発した新型パルプモールドは、容量や重量を抑えつつ緩衝性能を維持することで、CO₂排出を削減することに成功しました。この新型モールドは、プリンターの底面と天面に最適に配置することで、衝撃を効率的に吸収できるよう設計されています。結果として、パルプモールドの重量は33%軽量化され、梱包する箱のサイズも7%縮小されています。これにより、輸送時の効率を向上させるだけでなく、資源の消費を減少させ、環境負荷の軽減にも貢献しています。

さらに、同社の新型モールドは、底面側と天面側で同じ形状を持つため、製造上の効率が高まります。従来は互換性のない多様な形状が必要でしたが、この統一されたデザインによって保管や廃棄時のスペース利用が改善されています。また、開発プロセスでは独自のシミュレーション技術を採用し、実験的な試作回数を大幅に削減し、約90%短縮することに成功しました。このプロセスでもCO₂の排出を減らしています。

新型パルプモールドは、既に2024年3月からオーストラリアで先行導入されており、今後は他の地域にも展開される予定です。ブラザーグループは今後も持続可能な社会に向けた取り組みを続け、環境配慮を企業活動の中心に据えていきます。

このように、ブラザーは先進的な包装技術の導入を通じて、環境への配慮と持続可能な社会の実現に向けた重要な一歩を踏み出しました。