共感力を未来に繋ぐ:阪神淡路大震災を教材にしたワークショップ
共感力育成ワークショップの意義
昨今、災害の記憶の伝承が重要視されています。特に阪神淡路大震災から30年が過ぎた今、教訓だけでなく、その時の人々の感情に迫り、共感力を高める必要があります。そこで、神戸大学バリュースクール(V.School)による「Empa-seeプロジェクト」が立ち上がり、未来を担う若者たちにこの力を育むためのワークショップが計画されています。
ワークショップの詳細
2026年1月に実施予定のこのワークショップは、中学校や高等学校の生徒を対象にし、災害の記憶を「教訓」だけでなく、感情豊かに体験することを目的としているのです。映像教材として使用されるのは、震災で娘を亡くした父親の姿を追った約10分間の記録映像。この映像を通じて、生徒たちは登場人物の感情や行動の変化に触れ、より深い共感を得ることが期待されます。
教育的なアプローチ
ワークショップでは、まず映像を視聴し、その後、参加者は「コンセプトマップ」を作成します。このマップでは、映像中の出来事や登場人物の行動を付箋に書き出し、関係性を可視化します。グループディスカッションを通じて、映像の細かな部分に気づき、深い理解を得ることができます。これにより、単なる知識ではなく、実際の人々の感情を理解し、自らの考えとして受け入れる力が育まれます。
過去の参加者の声
以前のワークショップに参加した学生たちからは、「教訓よりも震災の現実を知ることができた」「映像の細部に着目することで、より感じる部分が多くなった」との感想が寄せられています。映像を繰り返し見ることが重要な学びのプロセスになっていることが伺えます。
プログラムの詳細と参加方法
神戸大学は、2025年9月1日から全国の学校を対象に、ワークショップの参加校の募集を開始します。申し込みは、30人以上の単位で受け付けており、実施は教室または神戸大学内で行われます。費用は全て無料で、学校のスケジュールに合わせて開催日を調整も可能です。興味のある学校には、積極的な参加をお願いしたいです。
共同研究の背景
この取り組みは、神戸大学と朝日放送グループの共同研究「映像資料を活用した共感力育成に関する研究と教育プログラムの開発」に基づいています。さまざまな分野の教員が参画し、共感力を育むための新しいアプローチを模索しています。
さいごに
未来を担う子どもたちに、共感力を育てる教育の場を提供するこのワークショップは、単なる学びを超え、彼らの人生観を深める大きな機会となるでしょう。阪神淡路大震災の教訓と向き合い、「自分ごと」として災害を考える力を育んでいくことが求められています。この機会にぜひ参加して、新しい経験を共有しませんか。
会社情報
- 会社名
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国立大学法人 神戸大学
- 住所
- 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1
- 電話番号
-
078-803-1212