お墓の消費者全国実態調査2025年
株式会社鎌倉新書が運営する日本有数のお墓に関するポータルサイト「いいお墓」では、2025年1月に実施された「第16回お墓の消費者全国実態調査」の結果を発表しました。この調査では、日本におけるお墓購入のトレンドや消費者の選択がどのように変化しているかが明らかにされています。
調査の背景
日本は急速に進む超高齢社会の中で、終活に関連するサービスの需要が急増しています。「いいお墓」では、年間80,000件以上のお墓紹介を行っており、その中で寄せられる様々な声に基づいて、自宅付近の霊園や、自分たちに合ったお墓選びの手助けを提供しています。
調査は、2024年に「いいお墓」経由でお墓を購入した1,475件の有効回答を集計し、インターネット調査によって実施されました。
主な調査結果のハイライト
調査によると、購入したお墓のうち樹木葬の選択が48.5%と続き、樹木葬が依然として主流であることが確認されました。これは過去の調査とほぼ同水準を保っており、一般墓(17.0%)、納骨堂(16.1%)、合祀墓・合葬墓(14.6%)と続きます。
購入時に重視した点
お墓を選ぶ際の基準として多くの人が挙げたのは「お墓の種類」(49.4%)、次に「金額」(41.9%)、「継承者不要」(36.7%)です。特に39歳以下の世代は金銭面を重視する傾向が強く、高齢層(65歳以上)はアクセスの良さを重要視していることがわかりました。
平均購入金額
購入者が支払った平均金額についても興味深いデータがありました。一般墓の平均購入金額は155.7万円、樹木葬は67.8万円、納骨堂は79.3万円という結果で、特に一般墓は前年より若干の増加を見せています。樹木葬は管理費が発生しないケースが多いため、購入後の負担が軽いという点で人気があります。
時代と共に変わるお墓選び
この調査結果からは、終活の一環としての樹木葬選択が増えている理由は、長期的な視点での金銭的なメリットや、気軽さが影響していることが読み取れます。ライフスタイルの多様化もあり、「お墓は家族で持つもの」という従来の考え方が変わり、個人の選択が尊重される時代へと移行しています。
これまで「家は代々受け継ぐもの」とされていたお墓ですが、現代では「個人の選択」で考えられるようになっているのです。特に、核家族化や単身世帯の増加が、選択の自由度を高め、多様なお墓の形を生み出しています。
お墓選びのポイント
お墓選びの際、多くの人が重視するポイントには、「種類」や「経済性」の他に、場所や環境も挙げられます。アクセスの良さや横町感、さらにはアフターサービスなども重要視されていることがわかりました。
調査結果からは、他者の意見や口コミよりも、自分たちの条件や経済状況に基づいて選ぶ傾向が強まっていることが示されています。
まとめ
本調査は、日本のお墓選びの変革を反映する重要なデータを提供しています。樹木葬が主流であり続ける一方で、消費者の価値観や選び方が変わっていることが明らかとなりました。このように、お墓の選択はただの埋葬場所の選択に留まらず、個々の人生観を反映する決断となっているのです。今後ますます進化していくお墓の選び方に注目です。調査結果が参考になれば幸いです。