YKK APの新しい取り組み
YKK AP株式会社は、リサイクルアルミを100%使用した新しいアルミ建材「Re・AL(リ・アル)」の受注を開始しました。これは、市中リサイクル材と自社の製造過程で発生した端材を用いたもので、窓やカーテンウォールとして使用されるアルミ形材です。これにより、建材の環境への影響を定量的に示し、建物の環境価値を向上させることができます。
環境への貢献
「Re・AL」を選ぶことで、建材の製造時におけるCO₂排出量の削減が期待できます。リサイクルアルミを利用することで、環境に優しい建築を推進することができ、特に近年の脱炭素化への取り組みを強化する動きに呼応しています。YKK APでは、2025年度には住宅用・ビル用製品で全体の60%をリサイクルアルミにする目標も掲げています。
新地金なしでの実現
「Re・AL」は、新地金を使わずに全てリサイクルアルミで構成されており、これにより新たに金属を製錬する際のエネルギー消費を大幅に削減します。加えて、この製品は第三者機関による環境製品宣言「SuMPO EPD」を取得しており、原材料の調達から製造に至るまでのCO₂排出量を73%も減少させることが可能です。このように「Re・AL」は、建築物の環境価値向上に向けた取り組みを支援します。
採用予定物件
YKK APは自社プロジェクトである「YKK AP30ビル」や「YKK AP技術館」において、すでにリサイクルアルミ100%の窓やカーテンウォールを採用しています。さらに、三井不動産レジデンシャル株式会社の新築マンションでも「Re・AL」の採用が決定しています。また、問い合わせも続々と寄せられており、需要の高まりが伺えます。
製品の特性
「Re・AL」製品は、リサイクル材を使用しつつも、新地金と同等の品質と機能を維持しています。特に、市中リサイクル材を使用する際には、異種金属や合金成分を厳密に選別するプロセスが求められます。製造効率を高めるために、2023年にはリサイクル専用の炉を四国製造所に導入し、さらなる技術開発も進めています。
環境負荷の削減
アルミニウムは通常、ボーキサイトから製錬される段階で大量のエネルギーを消費しますが、「Re・AL」によるリサイクル材の使用は、材料面でのCO₂排出を97%も減少させます。これは、YKK APの既存製品に比べ、ライフサイクル全体でのCO₂排出量を73%削減することを意味し、カーボンニュートラルの実現に貢献します。
展望と今後の目標
「Re・AL」対象商品は、住宅およびビル用商品全般に適用され、全国で受注を開始します。2027年度には15億円の売り上げを目指しており、環境負荷を減らす取り組みをさらに広げる考えです。アルミリサイクルを通じて未来の建築業界における環境問題解決の一翼を担うべく、YKK APは挑戦を続けていきます。