Solana RPC におけるヒストリカルデータアクセスの革新
最近、ERPC(Enterprise RPC)とValidators DAOが手がけたプロジェクトが大きな注目を集めています。オランダ・アムステルダムに拠点を置くELSOUL LABO B.V.が全リージョンで提供を開始したのは、Solana RPCにおけるヒストリカルデータへのアクセスです。これは、ユーザーが特別な契約や設定なしで、過去のデータへスムーズにアクセスできることを意味します。
Old Faithfulの統合
ERPCは、データの欠損を避けるためにオープンソース技術であるOld Faithfulを統合しました。このシステムは、Solanaにおける履歴データのアーカイブを効率的に行うことを目的に開発されました。これにより、Solanaの全てのエンドポイントで、過去のデータが蓄積され、欠損が生じることなく取得できます。この仕組みは、オンチェーン分析やバックテストの必要性を抱えるデータサイエンティストや開発者にとって、非常に重要な意味を持ちます。
Solana RPC の課題とその解決策
Solanaでは、データが毎日大量に生成されており、一般的なRPCノードは直近数エポックのデータしか保持できません。これにより、過去のトランザクションや状況に関するデータが欠落し、ヒストリカルデータを必要とする使用ケースにおいて、利用上の障害となっています。しかし、Old Faithfulを基にした新しいアーカイブ方式により、この問題が解決されることになりました。
新たなデータ配布モデル
Old Faithfulは、RocksDBによって生成されたデータのアーカイブを基に、Content Addressable Archives(CAR)としてデータを構造化します。この方式は、各ブロックやトランザクションを一意に識別できるため、改ざんの検証が可能です。これにより、信頼性が大きく向上しました。エンドユーザーはHTTPやCDNなどの形式でデータを取り出すことができ、多様な用途に適応可能です。
構造的なメリット
ERPCのアップグレードにより、過去データへのアクセスはすべてのリージョンで平等に提供されます。これにより、特定リージョンに依存することがなく、グローバルな文脈で一貫した情報を利用できる点が大きな利点です。これまでは、ヒストリカルデータの利用には煩雑なインフラが必要でしたが、今後は単にERPCプランを利用するだけで、手間無くその恩恵に預かれるようになります。
将来的な見通しと改良
ERPCはヒストリカルデータ取得における応答時間の改善に力を入れています。最新のノード構成を用いてアクセスの効率を向上させており、実際の運用に基づいた改善策を講じています。この調整が続けられることで、データアクセスの速度や信頼性が高まることが期待されています。
ユースケースの拡大
ERPCのアップグレードにより、リアルタイムデータに加えて過去データを利用前提とするアプリケーションが広がります。これにより、従来は制約の多かった領域の利用が進む見込みです。長期的なデータ分析や履歴検証は、今後数年の内にさらに重要な役割を果たすことでしょう。
最後に
この新しいヒストリカルデータへのアクセスは、それを提供するELSOUL LABO B.V.の公式サイトやDiscordを通じて、すぐに利用し始めることが可能です。興味のある皆さんは、是非この機会に新しいデータの活用方法を検討してみてください。