繊細に捉えた日本の風景: 写真集『DOBOKU』
2026年1月8日、ヴィブラムジャパン株式会社は、新たな写真集『DOBOKU by Federico Radaelli』をリリースします。この作品は、イタリアの写真家フェデリコ・ラダエッリが日本の古い道、特に中山道をテーマにし、デザイナーのダニエル・サンサヴィーニとのコラボで制作されました。写真集の中で、ラダエッリは東京、京都、大阪といった観光地から離れ、静寂さが漂う日本の風景を丁寧に切り取っています。
山を歩く者のための物語
ヴィブラムというブランドは、1937年にアルプスで誕生しました。このブランドは、登山者に安心感を与えるグリップを提供することに全力を注いでいます。『DOBOKU』は、こうしたヴィブラムの精神を反映し、山道と人、風景との出会いを記した作品です。この旅は、標高200〜300mの青梅ファームから始まり、富士山の3776mへと続く「垂直の地図」の形を取ります。
途中、蔵王山や石鎚山などの聖なる山々を巡り、ラダエッリは自らの視点で土地と人の調和を描き出します。この絵の中には、土の香りや標高の変化が織り込まれ、見る者を深い感慨に誘います。
キーパーソンの存在
このプロジェクトには、重要な役割を果たす二人のキーパーソンがいます。ひとりは、東京のレストラン「Gallo」や「おかめ蕎麦」を経営するシェフ・小川琢磨氏。彼は、豊かな自然の恩恵を受けた土地を案内し、食や季節を通じてその土地を読む方法を教えてくれます。
もう一人は、プロボクサーの藤井貴博氏です。彼は伝統音楽家である父の影響を受け、文化を守り続ける姿勢を体現しています。藤井氏は、伝統的な精神が根付く山岳修行とリングでの鍛錬を通じて「生きた遺産」を示します。
日本の奥深さを探る
『DOBOKU』は、単なる旅行記ではありません。静けさと香り、標高の要素を通じて日本のもう一つの地図を描き出しています。耳を澄ますことでしか感じられない、日本の奥深さを探るための誘いとなるのです。
フェデリコ・ラダエッリとダニエル・サンサヴィーニ
フェデリコ・ラダエッリは、日本への移住後、伝統と現代を交差させた物語を追求しています。相撲やボクシングなど多様な分野と関わりながら、日本文化に対する理解を深め、作品を生み出しています。
一方、ダニエル・サンサヴィーニはミラノを拠点にし、緻密なデザインアプローチを追求しています。彼のクリエイティブなビジョンは、この写真集にも色濃く反映されています。
まとめ
『DOBOKU by Federico Radaelli』は、日本の美しい風景と文化を新たな視点で捉えた一冊です。発売を待ち望む気持ちが高まる中、どのような物語が描かれているのか、期待せずにはいられません。ぜひ手に取って、その世界に浸ってみてはいかがでしょうか。