日本のマネジメント層が得意とする業務の実態とは
最近、HRサーベイクラウドサービスを提供する株式会社シーベースが、約500名のマネジメント層を対象にした面白い調査結果を発表しました。この調査は「マネジメントが得意とする業務」に焦点を当てており、得意な業務や不得意な業務の実態を明らかにしています。
調査結果によると、マネジメント層が得意とする業務のトップ3は「部下とのコミュニケーション」(33%)、「業務の割り当てや任せること」(30.7%)、そして「目標達成や業務支援」(22.3%)でした。これらの結果から、マネジメント層が実際に部下に直接関与する業務に自信を持っていることがわかります。
しかし、逆に「目標管理や評価のサイクル」や「リスクマネジメント」といった中長期的な業務においては評価が低く、具体的には「目標管理」が8.8%、「リスクマネジメント」が9.6%と、得意と回答する層は約1割にとどまる結果となりました。特に、ビジョンや戦略立案といった業務になれば、その割合は更に低下し、約13.1%に過ぎませんでした。これは、マネジメント層が抱える不確定な業務に対する難しさや苦手意識を反映しているのかもしれません。
また、調査によれば、回答者が挙げた得意な業務の平均は2.3個であり、この点もやや少ないと感じました。多様なミッションに向き合う中で、得意な業務が限られていることは、マネジメント層が直面する課題の一環と言えるでしょう。
従業員規模別の傾向
調査は従業員規模別にも分析され、大規模企業では特に「部下のモチベート」(23.8%)や「目標管理・評価のサイクル」(13.9%)などの回答が多く見られることがわかりました。つまり、大企業のマネジメントは、部下の意欲を高めたり、目標を適切に設定・管理することに優れている傾向があります。これは大規模な組織において、調整やコミュニケーションの体系が確立しているためだと考えられます。
年代別の分析
年代別に見ると、60代のマネジメント層が「担当組織のビジョン・戦略立案」や「業務の進捗管理」といった業務に自信を持っていることが際立ちました。彼らが経験豊富であることから、より複雑な業務にも対応できる能力を持っていることが示唆されます。その一方で、30代が「担当組織内のコミュニケーションや協力の促進」でトップの回答割合を示し、若い世代がチーム内の結束を重視していることが見て取れます。
マネジメント経験年数別の傾向
経験年数が多いほど「担当組織のビジョン・戦略立案」に得意と回答する割合が高まり、経験が少ない層は部下の業務支援に注力していることがわかります。これは、抽象度の高い業務に対してはしばしば不安を感じがちなためと考えられます。
結論
この調査からは、日本のマネジメント層が得意とする業務には、部下とのコミュニケーションや業務の細分化といったコニュニケーション系が多く見られる一方で、中長期的な業務や不確定要素の多い業務には苦手意識が強いことがわかりました。このような実態を把握することで、今後のマネジメントのあり方を見直しています。
なお、調査データに関する詳細は株式会社シーベースの公式サイトで確認できます。