株式会社ルシアン、TANAAKKグループに連結子会社化される意義とは

株式会社ルシアンがTANAAKKグループに子会社化

2023年、TANAAKK株式会社（本社：東京都千代田区、代表取締役：田中翔一朗）は、株式会社ワコールホールディングス（本社：京都府京都市、代表取締役：矢島昌明）の傘下にある株式会社ルシアンを連結子会社化する株式譲渡契約を締結しました。この決定はルシアンの強みである製造能力を活かし、TANAAKKのデジタルバリューチェーンの構築を深化させる戦略的な一手です。

1. ルシアンが選ばれた理由

TANAAKKは、2021年にリリースしたIoTクラウドSaaS事業「GAAS」を通じて、デジタル技術の活用を加速させています。また、自社開発のHITSERIES® AIというソフトウェアコンポーネントを販売提供し、自社運営の情報製造小売業でのマーケットシェア拡大を進めています。特に、グローバルなシェイプウェアやアパレルブランド市場では、現代型スタートアップがパフォーマンスを向上させている中、ルシアンの持つ多面的な強みが注目されました。

ルシアンは、大阪証券取引所に上場していた経験があり、豊富な調達ネットワークも持っています。自社工場が強化されているため、生産能力も高く、TANAAKKのデジタルバリューチェーンにとってシナジー効果を生む可能性が大きいと考えられました。

2. 会社概要と事業内容

株式会社ルシアンは、京都府京都市に本社を構え、インナーウェアブランド「LECIEN®」や手芸用品ブランド「COSMO®」の製造販売を行っています。また、量販店向けのODM/OEM企画製造や、寺社向けのレースアイテムの企画製造も手掛けており、ほかには「ルシアンレースミュージアム」の運営も行っています。

このように多角的な事業を展開するルシアンは、TANAAKKのグループに加わることで、より一層競争力を高めることが期待されています。

3. 経営戦略と今後の展望

TANAAKKによるルシアンの連結子会社化は、2025年4月1日からの運営を予定しています。この移行期において、TANAAKKはルシアンの営業拠点や組織を大きく変更する予定はなく、現行の取引関係も引き続き維持される見込みです。

デジタルバリューチェーンが整備されることで、調達から販売までの各プロセスが一層効率化され、ODM/OEM提案の価値向上を実現できるとしています。市場での競争力を強化するとともに、消費者に対しても引き続き魅力的な製品を提供していく方針です。