Live2D Cubism SDK for Unreal Engineがベータ版へ進化、創造性の翼を広げる
2Dイラストに立体的な息吹を与える革新的な表現技術「Live2D」の研究開発を手掛ける株式会社Live2D(本社:東京都新宿区、代表取締役:中城哲也)は、2025年5月29日、Unreal Engineに対応したソフトウェア開発キット(SDK)の最新版「Cubism 5 SDK for Unreal Engine R1 beta 1」をリリースしました。
これにより、ゲームやアニメ、VTuberコンテンツ制作など、Unreal Engineを開発環境とするクリエイターにとって、Live2Dの活用がさらに安定し、表現の幅が飛躍的に拡がることが期待されます。現在、Unreal Engine 5.3から5.5までのバージョンに対応しており、最新のゲームエンジン環境での利用が可能です。
開発者フレンドリーな設計と新機能の充実
「Cubism SDK for Unreal Engine」は、Unreal Engineが標準で提供する機能を基盤として構築されており、従来のUnreal Engine開発に慣れ親しんだ方々が、これまでと変わらない感覚でLive2Dの魅力を作品に組み込めるよう、高い親和性を持って設計されています。そのため、新たな学習コストを最小限に抑えながら、スムーズな導入と開発が可能になります。
また、すでに他のプラットフォームでLive2Dを用いたコンテンツを制作している場合でも、従来のLive2D Cubism制作ワークフローをそのままUnreal Engine上で踏襲できるため、これまでの資産を活かしつつ、新たな表現の舞台へ容易に移行できます。
今回のベータ版では、これまでのα版で未対応だった機能の追加と、全体的なパフォーマンスの向上が大きな柱となっています。具体的には、以下のような改善が施されました。
モデルのレンダーターゲット描画機能の追加: これにより、Live2Dモデルをテクスチャとして扱うことが可能になり、Unreal Engine上でのポストエフェクト適用や複雑な描画合成の自由度が格段に向上します。
描画パフォーマンスの最適化: モデルとマスク用テクスチャの描画処理が大幅に最適化され、より滑らかで高速なアニメーション表現を実現します。特に大規模なコンテンツや高フレームレートが求められる場面で、その効果を実感できるでしょう。
組み込み用データの再インポート機能の追加: 開発中のLive2Dモデルやアニメーションデータの更新が容易になり、 iterativeな開発サイクルをサポートします。
読み込みモーションの整合性確認機能の追加: データの破損や不整合による問題を未然に防ぎ、開発プロセスにおけるトラブルシューティングの労力を軽減します。
これらの機能拡張とパフォーマンス向上は、Unreal Engine上でのLive2Dコンテンツ開発をより効率的かつ高品質に進めるための強力な後押しとなるでしょう。ダウンロードはLive2D公式サイトから可能です。
正式版への期待とLive2Dの広がり
Live2D社は、今回のベータ版リリースに続き、年内の正式版リリースを目指してさらなる改善を進めていく方針です。詳細なスケジュールは決定次第、随時公開される予定であり、クリエイターコミュニティからの期待が募ります。
「Live2D Cubism」は、1枚の原画から2Dイラストに立体的な動きを与える、プロフェッショナルスタンダードなモデリングツールとして広く認知されています。直感的な操作性とパワフルな変形ツールを組み合わせることで、クリエイターのイメージ通りの表現を可能にし、ゲーム、動画、アプリケーション、VTuberといった多岐にわたる用途で活用されています。Unreal Engineをはじめとする多様な開発環境をサポートしている点も、その汎用性の高さを示しています。
株式会社Live2Dは、「クリエイターが描きたい通りに描き、動かしたい通りに動かす」という企業理念のもと、Live2D技術の普及と発展に尽力しています。ソフトウェアライセンス販売に留まらず、Live2Dの制作と表現研究を行う「Live2D Creative Studio」、公式マーケットプレイス「nizima」、VTuber向けトラッキングアプリ「nizima LIVE」、オンライン動画エディター「nizima ACTION!!」、オンライン講座「Live2D JUKU」など、多角的な事業展開を進めています。さらに、株式会社アニプレックスとの業務資本提携により、長編アニメーション映画制作プロジェクトも始動しており、Live2Dがエンターテインメント業界全体に与える影響は計り知れません。
国内外の様々な領域で活用が広がるLive2Dは、今や私たちの身近なコンテンツの多くで目にされるようになりました。今回のUnreal Engine向けSDKの進化は、その存在感をさらに高め、未来のデジタルコンテンツ制作に新たな可能性をもたらすことでしょう。Live2Dの今後の進化に、ぜひご期待ください。