小泉八雲の新たな物語
小泉八雲(拉フカディオ・ハーン)の120年の記念として、新たな作品『黒い蜻蛉――小説 小泉八雲――』の出版を祝うトークイベントが開催されます。このトークイベントでは、著者のジーン・パスリーさんが来日し、訳者の小宮由さんと書店「読書のすすめ」店長の清水克衛さんが登壇します。会場は東京都江戸川区の書店「読書のすすめ」で、14:00から16:00までの予定で行われ、同時にオンライン配信も行われます。
この新しい小泉八雲の物語は、著者のアイルランド出身の視点から描かれており、八雲の複雑な生涯を面白く伝えています。トークイベントでは、執筆や翻訳にかかる苦労、作品に込められた思い、さらには八雲が生きた時代の日本人とは何か、生きることとは何かといった深いテーマが語られます。八雲の生き方を掘り下げることは、私たちの自己理解に繋がるかもしれません。
## 小泉八雲の生涯
小泉八雲は1850年にギリシャで生まれ、その後日本に移住しました。彼の豊かな経歴には新聞記者や随筆家としての活動があり、特に日本民俗学への貢献が顕著です。彼自身のアイデンティティもまた興味深いもので、異なる文化の中で過ごした彼は、常に「他者」との関係性に問いを投げかけていました。1890年に日本に到着以来、八雲は日本文化の熱心な研究者となり、耳なし芳一や雪女などの日本の伝説を再話し、これを『怪談』という形でまとめ上げました。
## 『黒い蜻蛉』のあらすじ
『黒い蜻蛉』は、幼少期にギリシャ人の母とアイルランド人の父と生き別れたハーンが描かれた物語で、彼は自身の劣等感を抱えながらも日本へと渡る決意をします。日本での経験は彼にとって大きな転機となり、松江で過ごした日々や、英語教師としての生活、元士族の娘セツとの結婚、さらには富士山への登頂に至るまで、彼の人生を形作る重要な出来事が次々と描かれています。この新たな作品は、彼の人生を通して、文化の交差点に立つ彼の苦悩や喜びを表現しています。
## トークイベントの詳細
トークイベントは、2024年9月21日(土)に実施され、参加費用は1000円(税込)です。会場にて『黒い蜻蛉』をお持ち込みの方は、その作品にサインをもらえるチャンスもあります。当日、会場での購入も可能です。
定員はオンライン参加90名、会場参加は先着順ですが、立見となる場合もあります。ご参加には事前申し込みが必要ですので、興味がある方は早めにお申し込みください。
## 登壇者紹介
著者のジーン・パスリーは、ニューヨーク大学で映画制作を学び、数々の短編映画の脚本を手掛けてきました。彼女の作品はアイルランドの文化にも深い関わりを持っており、特にラフカディオ・ハーンとの関連が強調されています。
訳者の小宮由は、広く子ども向け書籍の翻訳を手がけており、多くの著名な作品に関わっています。清水克衛は書店「読書のすすめ」の代表として知られ、知識と情熱で全国的に愛される書店を運営しています。
この特別なイベントを通じて、小泉八雲の新たな視点や、彼の文学がいかにして私たちの人生に影響を与えるのかを知る貴重な機会となるでしょう。