児童養護施設出身の若者が夢を語るスピーチコンテストが全国で開催!

児童養護施設出身者の夢を応援するスピーチコンテスト

2014年6月29日、7月6日の2日にわたり、全国3拠点で「カナエール夢スピーチコンテスト」が行われます。このイベントは、児童養護施設で育った若者たちが自分の夢を語る場として設けられており、毎年多くの参加者が集います。特に今回は、東京に加えて横浜と福岡の2都市が新たな会場として参加し、これまで以上に広がりを見せています。

現在、全国には約3万人の子どもたちが児童養護施設で暮らしています。彼らは家族の支えを受けられない中で、自分の夢を追い求めていますが、進学率は一般の約20%と、全国平均の75%には及びません。また、中退率は30%にも達するなど、厳しい現実に直面しています。これらの数字が示すように、彼らの進学生活は非常に困難な状況にあると言えます。

カナエールの奨学金支援プログラム

「カナエール」は、そんな若者たちを応援するために立ち上げられた奨学金支援プログラムです。このプログラムでは、スピーチコンテストへの参加が奨学金を受け取る条件となっており、賞金として一時金30万円と、卒業まで月々3万円が支給されます。この取り組みを実施しているNPO法人「ブリッジフォースマイル」と「カナエール実行委員会」は、毎年参加者の成長を支援しています。

昨年までは東京のみでの開催でしたが、今年は横浜、福岡の3都市での開催を実現。これは、全国の児童養護施設からの参加者に対して、より多くの機会を提供するための重要なステップです。

充実したサポート体制

カナエールの特筆すべき点は、奨学金の提供だけに留まらず、出場者たちに対する手厚いサポート体制です。大会に参加する若者たちには、120日間、社会人ボランティアが3人ずつ付き添っています。このボランティアたちは「エンパワーチーム」と呼ばれ、若者たちと共にスピーチ原稿の作成やトレーニングに取り組み、さらには合宿を通じたチームビルディングも行います。

このようなプロセスを通じて、参加者は自分の思いを形にする力を養い、観客の前で夢を語るという大きな挑戦を経験することで、自己肯定感や進学意欲が高まります。