スマホ24台で実現! 動きのある被写体を自由自在に操る「4DNeRF」
Dentsu Lab Tokyoが開発した「4DNeRF」は、複数の写真から3Dシーンを生成する技術「NeRF」を進化させた、画期的な撮影ツールです。
従来の3D化技術では、動きのある被写体を表現するには高価な機材が必要で、撮影場所も制限されていました。しかし、「4DNeRF」は、手軽に手に入るスマートフォンを複数台使用することで、安価かつ簡単に撮影環境を構築できます。
「4DNeRF」が実現する3つの革新的機能
1.
動く被写体の3D化
従来のNeRF技術では、静止した3D空間の中をカメラが自由に動く表現しかできませんでしたが、「4DNeRF」は、動きのある被写体を3Dデータ化することが可能です。
2.
自由なカメラワークによる撮影
まるで映画の監督のように、自由にカメラアングルを変更し、被写体をあらゆる角度から撮影することができます。
3.
時間と空間を自由に組み合わせた編集
「4DNeRF」は、時間軸を自由に変えることも可能。通常再生、逆再生、スロー再生、早送りなど、様々な組み合わせで映像を編集することができます。
LAUSBUBのMVで「4DNeRF」が魅せる!
「4DNeRF」の初の実験として、ニューウェーブ・テクノポップ・バンドLAUSBUBの楽曲「I SYNC」のMVが制作されました。
LAUSBUBの二人のメンバーが、現実ではありえない動きや空間を表現。これまで見たことのない映像体験を提供しています。
「4DNeRF」開発の背景
Dentsu Lab Tokyoは、テクノロジーを駆使して社会課題の解決や新しい表現開発に取り組んでいます。「4DNeRF」は、従来の撮影手法では実現できなかった新しい映像表現を可能にするだけでなく、映像制作の民主化にも貢献すると期待されています。
開発者のコメント
Dentsu Lab TokyoのCreative Technologistである九鬼慧太氏は、「4DNeRF」の開発について、次のようにコメントしています。
>「LAUSBUBさんにご協力いただき、今までに見たことがない映像表現のMVを制作することができました。楽曲のエクスペリメンタルな雰囲気にも影響され、撮影手法の開発途上の粗さもあえて取り込み、実験映像的な演出を多数盛り込みました。時間と空間がおかしな世界で戯れるLAUSBUBらしいお二人を表現しつつ、NeRFならではのノイズを生かした、これまでにない質感の映像に仕上げることができたと思っています。」
今後の展開
Dentsu Lab Tokyoは、「4DNeRF」のさらなる開発を進め、持ち運び可能なボリュメトリックスタジオのような運用を実現し、時間と空間を共に編集できる軽量な撮影手法の実現を目指しています。
また、NeRF技術を活用した新しい映像演出・エフェクトの探索も継続していくとのことです。
「4DNeRF」が切り開く未来の映像表現
「4DNeRF」は、映像制作の未来を大きく変える可能性を秘めています。今後の発展が期待される、革新的な技術です。