フランス発の新たな風『ラディアン』
2015年8月6日、フランス出身の漫画家トニー・ヴァレントの少年漫画『ラディアン』が日本語版としてリリースされました。本作は、合同会社ユーロマンガによって出版され、発行は飛鳥新社が手掛けています。日本マンガの影響を大きく受けたユーロマンガを代表する作品の一つとして、その人気が期待されています。
通常、フランスの漫画は“バンド・デシネ”と呼ばれ、全編カラーで芸術的なスタイルが特徴です。しかし、トニー・ヴァレントの『ラディアン』は、日本の漫画スタイルを取り入れており、笑い、涙、そしてアクション満載の展開が魅力です。日本マンガに対する深い理解が感じられ、特に村田雄介氏から寄せられた推薦コメントとイラストが帯に掲載されていることも注目ポイントです。
ストーリーとキャラクター
主人公は魔法使い見習いのセトです。彼は女魔法使いアルマと共に生活しながら、魔法使いの一員として成長しようと奮闘しています。セトの住む世界には「ネメシス」と呼ばれる謎のモンスターが出現し、人々を苦しめています。魔法使いとしての修行を重ねるセトは、ある日、よかれと思って大失敗をしてしまいます。それがきっかけで彼は新たな世界や、自身の役割について学ぶことになります。
この素晴らしい冒険は、セトが魔法使いとして成長し、ネメシスから人々を守るための一歩を踏み出すまでの道のりを描いています。彼の成長と友情、挑戦が織り成す物語は、多くの読者の心を掴むことでしょう。
日本との繋がり
フランスでは1980年代末から日本のアニメやマンガが紹介され、時が経つごとにその人気は衰えを知らない現状です。特にフランスの漫画市場における日本マンガの影響力は絶大で、同国のマンガ家の中にも日本マンガに影響を受けた作品を制作する者が増えています。在日フランス人のフレデリック・トゥルモンドが経営する合同会社ユーロマンガは、その一環として日本市場向けに『ラディアン』を出版することとなりました。これにより、日本マンガの国際的な影響力を再確認することができます。
トニー・ヴァレントのプロフィール
トニー・ヴァレントは1984年にフランスのトゥールーズで生まれました。彼は“バンド・デシネ”スタイルで数冊の漫画を発表したのち、2013年から本格的に漫画スタイルでの作品発表を始めました。現在、『ラディアン』はフランスで第3巻まで刊行されており、その人気は高まる一方です。
作品情報
- - 書名:『ラディアン』
- - 著者:トニー・ヴァレント
- - 訳者:原 正人
- - 発行:ユーロマンガ
- - 発売:飛鳥新社
- - 発売日:2015年8月6日
- - ISBN:9784864104340
- - 価格:740円(税別)
この記念すべき作品を手に取り、フランスと日本の文化交流の狭間で生まれたユーロマンガの魅力を堪能してみてはいかがでしょうか。