阪南大学の新たな一歩、AI導入による代表電話の効率化
大阪府松原市に位置する阪南大学が、AI電話応答システム「受付君」を導入し、本格運用を開始しました。この取り組みは、大学の電話窓口における業務の効率化や応答品質の向上を目指したものです。
導入の背景
阪南大学では、年間約30,000件の問い合わせが代表電話に寄せられています。これらの問い合わせの多くは、入試相談や進路、奨学金に関するもので、適切な部門への取次ぎが必要不可欠です。このような状況から、従来の電話交換手は膨大な情報を把握し、属人的な対応を行う必要があり、業務の平準化や応答品質の維持に課題を抱えていました。
AI電話応答システム「受付君」とは
「受付君」は、アンビシオテクノロジー株式会社が開発したAI電話応答システムで、音声認識と自然言語処理技術を組み合わせています。最大の特長は、単なる音声応答にとどまらず、発信者との自然な対話を実現できる点です。これにより、話した内容や意図を的確に理解し、最適な担当者に自動で取り次ぐことが可能です。
例えば、発信者が「定期試験のことですか?」と尋ねた場合、「入学試験のことですか?」と確認し、さらに詳細な対応を行うことができます。このように、AIが発信者の意図を丁寧に確認しながら進行していくため、円滑なコミュニケーションが実現されるのです。
今後の展開
阪南大学は、今回のAI導入を足がかりに、今後も様々な業務の自動化を進めていく意向です。具体的には、よくある質問や各種手続きの自動案内機能の充実、さらには授業欠席や書類未提出者への自動リマインドなど、新たな機能の導入も視野に入れています。
担当者のコメント
導入の担当者である阪南大学 総務企画課の米田美夏さんは、「これまでの電話交換手は大学の顔として重要な役割を果たしてきましたが、AIが人と同様に業務を行える時代に突入しました。その変化を受け入れ、今後の改革に活かしていきたい」と語ります。
一方、AIシステム提供者のアンビシオテクノロジー株式会社の吉原恒朗代表取締役は、「受付君」が教育機関に導入されたことを光栄に思い、今後もDX推進に寄与したいと留意しています。
導入概要
- - 導入システム: AI電話応答システム「受付君」
- - 提供会社: アンビシオテクノロジー株式会社
- - 導入目的: 業務効率化、応答品質向上
- - 想定効果: 年間数千件の電話応答業務の削減、リソースの再配分と応答満足度の向上
このように阪南大学は、AI技術を積極的に取り入れ、より優れた教育環境の提供を目指しています。来たる未来では、AIが更なる可能性を広げ、学生や地域とのコミュニケーションを促進していくことでしょう。