働き方改革の現状と課題:最新アンケート調査から見えてきたリアル
働き方改革の現状と課題:最新アンケート調査から見えてきたリアル
明治安田総合研究所が発表した「働き方に関するアンケート調査」から、現代の仕事に対する意識や、働き方を取り巻く現状が見えてきました。本記事では、調査結果を分かりやすく解説し、働き方改革における課題を浮き彫りにします。
仕事観:収入重視、男女間の意識差
アンケートによると、仕事を選ぶ際に最も重視されるのは「収入」で、次いで「仕事内容」と「やりがい」が挙げられました。しかし、男女間では大きな違いが見られました。女性は「収入」と並んで「勤務時間」や「勤務地」といった勤務形態を重視する傾向があり、男性と比較して「やりがい」を重視する割合が低いことが分かりました。
目指したい年収についても、男女差が顕著です。全体の約4割が年収500万円以上を希望していますが、男女別に見ると、男性と女性の間には大きな開きがあることが示唆されています。
また、昇進意欲は男性の方が女性より高く、どの年代でも10ポイント以上の差がありました。FIRE(Financial Independence, Retire Early)を希望する人は全体の約3割、定年後も働くことを希望する人は約4割でした。興味深いのは、現在の仕事に満足している人や、ワークライフバランスが取れている人の割合が高いということです。
さらに、20代と30代の約半数がテレワークを希望していますが、実際に実施できているのは約3割にとどまっています。キャリアアップを目指している人ほど、テレワークを希望する傾向が見られました。
年収の壁:パート・アルバイトの現実
パート・アルバイトで働く人の約半数は、「年収106万円の壁」を意識して就業調整を行っていることが分かりました。この「年収106万円の壁」によって、年金受給額が減ったり、傷病手当金や出産手当金を受け取れなくなったりすることを知っている人は約6割にものぼります。年収の壁は、働く人の生活や将来設計に大きな影響を与えていると言えるでしょう。
転職:男女の意識の違いと主な理由
転職に対するイメージは、男性は「年収アップ」、女性は「キャリアの選択肢拡大」という傾向が見られました。20代~30代を中心に、転職に対して前向きな意見が多い一方、転職の主な理由は「給与面」が圧倒的に多く、次いで「仕事内容が合わない」「社風が合わない」といった職場環境への不満が挙げられました。
スキルアップ:費用と時間の壁
スキルアップや自己啓発に取り組んでいる人は約2割にとどまり、多くの人が費用や時間の不足を理由に、取り組めていないという現状が明らかになりました。スキルアップは個人のキャリア形成に不可欠であるにも関わらず、費用や時間的な制約が大きな障壁となっていることが分かります。
まとめ:働き方改革の更なる推進に向けて
今回のアンケート調査から、働き方を取り巻く様々な課題が浮き彫りになりました。男女間の意識差、年収の壁、テレワークの普及状況、スキルアップへの取り組みなど、解決すべき課題は多く存在します。企業や政府は、これらの課題を認識し、より柔軟で多様な働き方を支援する施策を推進していく必要があります。一人ひとりが働きがいを感じ、安心して働ける社会の実現に向けて、更なる働き方改革の推進が求められています。
会社情報
- 会社名
-
株式会社明治安田総合研究所
- 住所
- 東京都千代田区九段北3-2-11
- 電話番号
-
03-6261-6411