現代アート『SHIP’S CAT』が神戸のフェリーで初お目見え
2025年に開催される瀬戸内国際芸術祭の一環として、現代美術家ヤノベケンジ氏が手がけたアート作品『SHIP'S CAT (Boarding)』が、神戸三宮から小豆島へ向かうジャンボフェリー「あおい」の展望デッキに設置されることが決まりました。この取り組みは、現代アートと公共交通機関が結びつく新しい試みの象徴です。
艦船に乗るアート、初の試み
『SHIP'S CAT』とは、ヤノベケンジ氏が2017年に創作を始めたシリーズで、船乗り猫をテーマにした彫刻作品です。船乗り猫は、船を守る存在として人々に親しまれ、船体をかじるなどユニークな伝説を持っています。本作品が実際の艦船上に設置されるのは世界初となります。アートが日常の中に溶け込み、新たな価値を提供するこの取り組みは、観光や地域振興にも資することでしょう。
船上設置の背景
設置に至った背景には、2023年2月に神戸市と小豆島町、高松市の間で結ばれた地域連携協定があります。この協定は、2025年の大阪・関西万博や芸術祭の開催を見据え、地域の活性化と観光振興を目指すものです。 地域を結びつけるジャンボフェリーが、この芸術作品の設置を通じて、地域の魅力をさらに引き出すきっかけとなるでしょう。
2つの『SHIP'S CAT』が織り成す芸術旅
さらに、ヤノベ氏のもう一つの作品『SHIP'S CAT (Jumping)』も、小豆島の新たに開業するポートターミナル「さかてらす」に展示されます。この作品は、フェリーで小豆島に飛び移る猫を描写し、『Boarding』と相互に関連性を持つことで、観客にも強い印象を与えるでしょう。これにより、神戸、小豆島、高松の3つを結ぶ展覧会となり、地域間のつながりを強化します。
お披露目会の開催
『SHIP'S CAT (Boarding)』のお披露目会も予定されています。2025年4月16日に、ジャンボフェリー「あおい」において、ヤノベケンジ氏の挨拶や作品解説が行われる予定です。このイベントは一般の方への参加も可能で、アートの背後にある思想や制作過程を直接聞くことができる貴重な機会となります。
興味を持たれた方は、ぜひお披露目会に参加し、アートと航海の新たな結びつきを体感してみてはいかがでしょうか。この試みは、神戸と小豆島を結ぶ新しい文化的な旅を生み出すことでしょう。
このように、現代アートと交通手段が交わることで、私たちの生活に新たな彩りが加わることを期待しています。対話を呼び起こすアートとして、また地域の活性化に寄与するそういった役割を果たす『SHIP'S CAT』に注目です。