東洋鋼鈑が全固体電池用負極集電体の開発を開始、経済産業省の認定を獲得
東洋鋼鈑の全固体電池用負極集電体開発
東洋鋼鈑株式会社が、山口県下松市の事業所で全固体電池用負極集電体の開発に着手しました。これは、経済産業省が認定する「蓄電池に係る供給確保計画」において重要な位置を占めるプロジェクトです。2030年までに、同社はこの技術の社会実装を進める意向です。
全固体電池は、従来の液体電解質を固体に置き換えた新しいバッテリー技術です。これにより、液漏れや発火などのリスクが大幅に軽減され、より安全な電池システムとして期待されています。また、固体電解質は、電池の性能や寿命も改善するため、次世代のエネルギー源として注目されています。
経済産業省の認定背景
経済産業省は、全固体電池技術の開発が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて不可欠であると位置づけています。日本の経済安全保障を考慮し、蓄電池の安定供給を確保するための取り組みを進めています。
今回の認定により、東洋鋼鈑はNEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)からの助成金を活用し、開発を加速させることが可能になります。
投資計画と目標
東洋鋼鈑は、2024年12月に認定を受けたことを契機に、2030年度末までに量産体制を築く計画です。この計画では、年産3GWh以上の蓄電池を目指し、大規模な投資の意思決定を行います。これにより、同社は長寿命・高効率な全固体電池を市場に提供することを目指しています。
会社の成り立ちと展望
東洋鋼鈑は1934年に設立され、ぶりきメーカーとして始まりました。その後、鉄以外の素材分野にも進出し、現在ではアルミや樹脂など多岐にわたる製品を提供しています。同社のビジョンは、技術の可能性を探求し続けることで新たな価値を創出し、顧客や社会に貢献することです。
また、東洋製罐グループとしての責任を果たし、持続可能な社会の実現にも寄与していく方針です。
まとめ
企業の持続可能性と新技術の開発は、現代社会においてますます重要になっています。東洋鋼鈑の全固体電池開発は、その一環として期待されるプロジェクトであり、今後の進展から目が離せません。安全で高性能な蓄電池を市場に投入することで、持続可能な未来への道筋を切り開くことを目指しています。
会社情報
- 会社名
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東洋製罐グループホールディングス株式会社
- 住所
- 東京都品川区東五反田二丁目18番1号大崎フォレストビルディング
- 電話番号
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03-4514-2000