放課後の「預かり」を「探究」の時間に
放課後の時間が子どもたちにとってどれほど大切かは、親や教育者なら誰でも理解していることでしょう。その時間をただ預けられるだけの「預かり」の場所にするのではなく、子どもたちが自ら質問を持ち、調べ、考える「探究の時間」として充実させることを目指す新たな教育システムが登場しました。
探究エレメンツ™の誕生
ソラノマドプロジェクト株式会社が開発した「探究エレメンツ™」は、教育現場での探究学習を普及させるために作られたシステムです。この教育システムは、放課後の現場において専門的な知識や技術を持たない指導員でも容易に導入できるように設計されています。中心となるのは12か月分の冊子型教材であり、これに指導員向けの研修や動画教材、オンラインサポート、運営ノウハウが組み合わさっています。
開発のきっかけ
このシステムの開発には、放課後の学童クラブにおける「預かり」としての利用形態の現状があります。多くの保護者が「学童クラブが子どもを預けるだけの場になっている」という声を挙げる一方、教育現場からは「探究学習を取り入れたいが、専門知識を持つ人材がいない」という意見が寄せられていました。そこで、専門家による教育から、すべての大人が支援できる探究の形へとシフトする必要があると考えられました。
探究ラボ クエストハウスの設立
2024年に東京都国立市に開設された「探究ラボ クエストハウス」では、子どもたちが主役の探究学習の場を提供しています。ここでは、小規模なグループによる探究プログラムが実施されており、日常的に子どもたちの「なぜ?」や「やってみたい」という気づきを大切にしています。このような環境での学びが、子どもたちの思考力や表現力を育む基盤となっています。
システムとその特徴
「探究エレメンツ™」はただの教材提供ではなく、継続的に探究活動をサポートする必要な要素が一体となったシステムです。具体的には、以下のような内容を含んでいます:
- - 12か月分の冊子型教材
- - 指導員向けの導入研修
- - オンデマンドのチュートリアル教材
- - 月ごとの教材導入レクチャー(オンライン配信)
- - 日常の探究活動を支える運営ノウハウ
このようなサポートを提供することで、探究学習の専門知識を持たない指導員でも、通常の運営体制で探究活動を実践できるようになります。重要なのは、日常的に子どもたちと関わる指導員の寄り添いです。これにより、子どもたちの興味や関心、気づきを育てることができます。
導入事例と今後の展開
2026年7月14日から、鎌倉市の学童施設「放課後かまくらっ子ふかさわ」でのモニター導入が始まりました。現場での運用状況を見ながら、教材や研修のブラッシュアップも進めています。この取り組みを通じて、全国の学童施設や放課後児童クラブへのシステムの拡大を目指しています。
開発者の思い
開発者であり、教育者である大塩立華氏は、探究活動は特別な場で始まるのではなく、日常の中にある「なぜだろう」「やってみたい」という小さな疑問が重要であると語っています。そのため、放課後の時間を「預かり」だけではなく「探究の時間」に変えることが、より多くの子どもたちに自発的な学びを促すと確信しています。専門的な教育環境だけでなく、一般の場でも探究が行われる未来を描き、子どもたちが自ら考え挑戦する力を育てることを願っています。