サンリオとエイベックス、戦略的なパートナーシップの新展開
株式会社サンリオ(東京都品川区)とエイベックス株式会社(東京都港区)は、グローバルなIP(知的財産)活用を加速させるための戦略的パートナーシップに向けた基本合意を結びました。この合意により、サンリオはエイベックスの100%子会社であるAvex Southeast Asia Pte. Ltd.(シンガポール)との合弁会社、SANRIO SOUTH EAST ASIA PTE. LTD.(SSEA)を発展的に解消し、エイベックスが保有していたSSEAの株式30%を約16億円で譲り受けることとなります。
SSEAの成長と成功
設立から約5年の間、SSEAはサンリオのキャラクターを利用したライセンスビジネスを東南アジア市場で急速に拡大しました。初年度の2021年から2025年にかけて、売上高は日本円で約10倍に達し、これは現地市場でのブランド認知度とビジネス基盤の強化がもたらした成果です。サンリオの世界的なキャラクターブランドと、エイベックスによる地域特化型の運営が相互に補完し合った結果と言えるでしょう。
2026年からの新たな体制
株式譲渡は2025年12月末に完了予定で、その後SSEAはサンリオの完全子会社となり、新たな体制に移行します。これにより、SSEAの従業員は現行の雇用を継続し、引き続き事業運営に携わります。両社はこのパートナーシップを基に、今後も音楽、イベント、商品の共同制作などの分野でさらに密接に連携することを目指します。
新たな成長への期待
サンリオとエイベックスは、両社間で築かれた強力な信頼関係を基盤に、音楽やイベント、商品開発など多岐にわたる分野での活動を拡大していく予定です。その中で、各社のキャラクターやIPを最大限活かし、相乗効果を生むことを目指します。両社の連携が新たな市場での成功をもたらすことに期待が寄せられています。
各社からのコメント
サンリオの辻朋邦社長は「SSEAの設立は大きな挑戦でしたが、ここまで成長できたことを誇りに思います。この株式譲渡は終わりではなく、さらなる連携の第一歩です」と語ります。一方、エイベックスの黒岩克己CEOは「SSEAは我々のビジョンを体現したプロジェクトだ。サンリオとの連携を深め、国境を越えたIP展開を加速させていきたい」と期待を寄せています。
最後に、SSEAの代表を務める髙橋俊太氏は「我々は『ビジネスを10倍にする』ための取り組みを続け、サンリオIPの魅力を引き続き広めていきます」とコメントしました。
この戦略的パートナーシップを通じて、サンリオとエイベックスは共に成長を目指し、新たな市場での挑戦を続けていくことでしょう。