富士フイルムシステムが教育実習支援システムを発表
富士フイルムシステムサービス株式会社は2023年6月1日、教職課程を持つ大学や通信制大学、短期大学など向けに「教育実習支援システム」を新たに提供することを発表しました。この新システムは、教員を志す学生、養成校の指導教員、実習先の指導教員との間の円滑なコミュニケーションを実現し、教育実習に関連する一連の工程を効率化することを目的としています。
学生が教員になるためには、小学校、中学校、高等学校での実習が必須です。この教育実習は、理論と実践を組み合わせながら教員としての力を養う場として非常に重要です。しかし、実際の運用では依然として紙の実習日誌に記録する必要があり、学生や教員にとっての負担が大きな課題となっていました。
教育実習の課題
教育実習におけるコミュニケーションは主に紙ベースで行われており、次のような問題が指摘されています。
- - 学生の負担: 実習中の学生は、学習内容を手書きの日誌に記録する必要があり、そのために多くの時間と労力を費やしています。
- - 教員の負担: 養成校の指導教員や実習先の指導教員は、学生の日誌にコメントを記入するために多くの時間を取られます。特に実習先の教員は、自身の授業の合間を縫ってこの作業を行わなければならず、慢性的な教員不足や働き方改革の観点からも大きな負担となっています。
- - タイムリーな指導の難しさ: 養成校の指導教員は、学生の実習状況をリアルタイムで把握する手段が限られており、効果的な指導や速やかなサポートが困難です。
新システムの特徴
新たに提供される「教育実習支援システム」は、以下のような特長を持っています。
- - デジタル化による負担軽減: 学生は、実習の記録をデジタルで入力でき、手書きの負荷が軽減されます。これにより生まれた時間を教育実習の質向上に配分することが可能となります。
- - 業務の効率化: 養成校と実習先の教員も、ウェブを通じてコメント記入や評価ができるため、業務の効率が大幅に向上します。これにより、指導業務の負担が軽減され、より柔軟に教育に対応できるようになります。
- - タイムリーな指導: 養成校の指導教員は、学生の実習状況をリアルタイムで把握でき、必要なタイミングで的確な指導を行うことが可能です。
- - 連携の強化: 複数の指導教員がいる場合でも、各自のコメントや評価をシステム上で共有できるため、チームとしての指導力が高まります。
効果と期待
このシステムの導入により、学生が実習日誌を記入するのにかかる時間が、従来の約60分から約30分に短縮され、指導教員にとっても同様の効果が期待されます。これにより、作業の負担が半減し、学生や指導教員は本来の学びや指導に集中できる環境が整います。
近年、教員志望の学生の減少や長時間労働の問題が社会的な課題となる中、富士フイルムシステムサービスは「教育実習支援システム」を通じて、質の高い教育実習を支援し、未来の教員を育成する環境の整備に貢献しています。これにより、教育界全体が直面している様々な課題の解決につなげていきたいと考えています。
詳しい情報については、
富士フイルムシステムサービスの公式ページをご覧ください。