移住と狩猟が織りなす新たな生活スタイルの魅力
近年、移住と狩猟という二つのトレンドが脚光を浴びています。特に、若い世代を中心に、自然と共生するライフスタイルへの関心が高まっているのです。この背景には、認定NPO法人「ふるさと回帰支援センター」の移住希望地域ランキングがあり、移住希望者は20代から30代を中心に増加しています。また、狩猟の世界でも、女性ハンターを指す「狩りガール」という言葉が流行する中、狩猟を始める女性が急増しています。これにより、日本農業新聞によると、狩猟団体の会員数も前年比を上回る増加を見せています。
このような状況の中、2018年11月15日に発表された電子書籍『ひとり気ままな狩猟生活―東京のデザイナー、長野で猟師になる―』は、移住を経て狩猟の世界に飛び込んだ著者の体験を通じて、これらの実態を明らかにしています。著者の川端俊弘さんは、東京でデザイナーとして働いていたが、人生の岐路に立たされ、長野へ移住し、狩猟の旅へ踏み出しました。
狩猟を始めた著者の日々の変化
著者は、最初に鉄砲を撃ったときから、自分の手で獲物を解体したときまでの心の葛藤を生々しく描写しています。彼は、猟師の家系に育ったわけではなく、狩猟の世界は全てが新しい経験であり、その過程で得た感情や葛藤は多くの読者に共感をもたらすでしょう。
また、彼は狩猟を始めた当初、熟練した猟師たちと共に「集団猟」に参加していましたが、次第に心理的な変化から「単独猟」へと移行しました。この「単独猟」には、自由に行動できる楽しさや気楽さがあり、著者はそれに深く魅了されています。自分自身のペースで狩猟を楽しみながら、自然との一体感を味わい、心の安らぎを得ている様子が伺えます。
狩猟生活の新たな価値
狩猟を始めた彼が獲った肉を食べる楽しみや、その肉を調理する過程にも多くのページが割かれています。獲物を自分の手で処理することで、その命に対する感謝や責任感が育まれ、食材を大切に扱う姿勢が養われます。この本を通して、狩猟がもたらす新しい生活の価値を再認識させられます。
また、狩猟を通じて子どもたちに伝えたい命の大切さや、狩猟の楽しみ方にも触れています。著者は、家族で共に狩猟を楽しむ未来を夢見ており、次の世代にもその魅力を伝える決意を固めています。彼の経験や思いを通じて、読者は移住や狩猟がもたらす新たなライフスタイルの可能性に触れられることでしょう。
このように、移住と狩猟が交差することで生まれる新しい生き方を豊かに描いた『ひとり気ままな狩猟生活』は、自然と共生するライフスタイルを考える上での貴重な一歩となるでしょう。興味のある方は、ぜひこの本を手に取ってみてはいかがでしょうか。
書籍情報
- - タイトル: ひとり気ままな狩猟生活
- - 著者: 川端俊弘
- - 出版社: 代官山ブックス
- - 形式: 電子書籍 (Kindle)
- - 発売日: 2018年11月15日
- - 価格: 350円(税込)