外務省の視察が示した奉優会の新しい挑戦
このたび、東京都中央区に位置する「中央区立特別養護老人ホームマイホームはるみ」で、外務省による視察が行われました。社会福祉法人奉優会が長年培ってきた外国人介護人材の受け入れと育成に関する取り組みが、実際の現場でどのように行われているのか、またその成果を直接目にする貴重な機会となりました。
視察では、外国籍職員たちの高い日本語能力や介護スキル、利用者との信頼関係を評価され、「日本語がとても上手で、非常に優秀ですね」と外務省の担当者から賞賛の声が寄せられました。このような評価は、奉優会の職員が持つ専門的な技術だけでなく、彼らのコミュニケーション能力が日本社会においても高く評価されていることを示しています。
国際的人材育成のモデル
奉優会は1999年に設立以来、「地域の人々が育つことで生活が革新する」という理念を掲げ、国内外を問わずすべての人が成長できる場を作り上げることを目指してきました。2013年からは、EPA(経済連携協定)を通じた外国人介護人材の受け入れを本格的に開始。さらに、技能実習や特定技能制度も利用し、多様なバックグラウンドを持つ403名の外国籍介護職員が東京都内の施設で活躍しています。
これらの職員は、ベトナム、インドネシア、フィリピン、韓国などから集まり、国家資格「介護福祉士」を目指して日々努力しています。彼らは、日本の介護現場でそのスキルを活かし、地域社会に貢献しているのです。
奉優会の魅力
奉優会が選ばれる理由は、外国人介護士にとって「働きやすく、成長できる環境」を整えていることにあります。具体的には、以下のような施策が実施されています。
- - 日本語教育の充実: 勤務時間中に学習時間を確保し、レベル別の授業を提供。専任講師による国家試験対策研修も実施し、試験費用もサポートしています。
- - 文化・宗教への配慮: 全国で235室の個室社宅が整備され、ラマダンや礼拝などの宗教的な慣習にも柔軟に対応しています。LINEやSlackなどのツールを使ったスピーディな相談も行われています。
- - キャリアアップ支援: 公平な評価制度のもと、リーダーや主任へと登用される機会も多く、帰国後のキャリアについてもサポートが用意されています。
国際社会に開かれた福祉の現場
視察を受けた「マイホームはるみ」では、EPAを通じて受け入れられたインドネシア人介護福祉士がリーダーとして活躍するなど、外国人が主役となる環境が整っています。この取り組みはただの人材確保ではなく、外国人介護士が中心的な役割を果たせる体制を築くことに注力しています。
介護現場は今、大きな変革の時を迎えています。奉優会は言語や文化の違いを「壁」と捉えず「価値」として活かし、一人ひとりの個性が輝く社会づくりを進めています。
奉優会について
- - 法人名: 社会福祉法人奉優会
- - 理事長: 香取 寛
- - 所在地: 東京都世田谷区駒沢1-4-15 真井ビル
- - 職員数: 2,988名(外国籍403名)
- - 事業所数: 159施設
- - 公式ウェブサイト: foryou.or.jp
このように、奉優会は未来の福祉を見据えた国際的な人材育成を通じて、社会に貢献する新しい形を提示しています。