穴太の血脈:真実の物語
2025年7月15日に、歴史小説『穴太の血脈』の上下巻が同時に発売される。本作では、著者である戸波亮が自らのルーツに深く根付いた「穴太衆」と呼ばれる技術者集団の物語を、時代背景を踏まえた上で描き出す。
穴太衆とは何か?
穴太衆は、安土桃山時代から江戸時代にかけて活躍し、当時の日本の名城の石垣を築いた技術者集団である。金沢城や熊本城、さらには江戸城など、数多くの名城を手掛けたこの集団は、時の国家権力者からの重用を受け、彼らの技術力は大いに評価されていた。
著者の戸波亮は、この穴太衆を率いた「穴太頭」の末裔であり、彼の視点から見た穴太衆の姿は、歴史の教科書では語られない真実の部分が多く含まれている。在来の視点で描く歴史とは異なり、「穴太衆」がどのように時代の激流を乗り越え、どのような困難に直面したのかを、豊富な歴史的資料やフィクションを交えて物語る。
上巻と下巻、それぞれの物語
『穴太の血脈<上> 穴太頭四兄弟』では、四兄弟が直面する運命が描かれる。第一章では戸波善正の死を通じて、家族の絆や時代の重圧が浮き彫りにされる。
特に、家康から授けられた名刀が四兄弟にもたらす影響についての物語は、権力と名誉には代償が伴うことを示唆する。
一方『下巻』では、江戸時代後期の穴太衆の困難な状況が描かれている。幕府の倹約政策に伴い、石積みの依頼が激減し、住民たちが飢饉に苦しむ中で、彼らがどのように生き延びたのかを追っていく。宇多国宗の神通力が頼みの綱となったこの時期、彼らの選択は数世代にわたって影響を与えることとなる。
著者の背景と活動
戸波亮は、神奈川県出身であり、様々な事業を手掛ける株式会社穴太ホールディングスの代表取締役でもある。彼の人生には、葬儀業を通じて地域社会に貢献し続ける姿勢が反映されている。
彼は歴史と現代の架け橋となるような作品を通じて、読者に深い感動を与えつつ、穴太衆の偉大な功績を再発見させることを目指している。本作が多くの人々に読まれ、彼らの存在が改めて認識されることを期待する。
書籍情報
『穴太の血脈<上> 穴太頭四兄弟』は1,650円(税込)、『穴太の血脈<下> 二百年後の穴太衆』も同じく1,650円(税込)で、いずれも2025年7月15日に発売予定。興味のある方は、ぜひ手に取ってみてほしい。詳細はAmazonで確認できる。
日本の歴史への新たな視点を、この一冊から体験してみてはいかがだろうか。