INNFRAが中城村で実証実験をスタート
INNFRA株式会社は、今回、《沖縄型スタートアップ拠点化推進事業費補助金》に採択されたことを受けて、中城村との共創で新たな取り組みを始めます。このプロジェクトは、名勝地の中城城跡を活用し、観光業の振興と防災対策の両輪を兼ねた「フェーズフリー沖縄モデル」の実証実験に挑むものです。
背景と目的
日本の観光業が直面する多くの課題の中でも、宿泊施設の不足や観光地域への訪問者数の減少は深刻な問題です。INNFRAは、官民共創アクセラレーションプログラム「ソーシャル X アクセラレーション for OKINAWA」を通じて、この課題を解決するために、特に沖縄の地域特性を考慮したモデルを提案しました。その結果、優秀賞を受賞し、そのまま実証実験へと進むことが決まりました。
実証実験の内容
世界遺産中城城跡の活用
実証実験では、中城村の中城城跡を舞台に、INNFRA独自の水循環システムを用いて滞在環境を構築する予定です。これにより、平時には観光地としての魅力を最大限に引き出し、非常時にはしっかりとしたインフラを確保することを目指します。
主な活動内容
- - 観光業におけるフェーズフリーのモデルを提案・評価し、観光と防災の相乗効果を検証
- - 文化財保護の観点から、軽量インフラの導入方法を研究
- - 民間資金を調達し、次年度以降の本格的な整備計画に着手
中城村の声
中城村役場の担当者は、「INNFRAと共創し、NAKAGUSUKUモデルを創造したい」と語り、地域経済の活性化や文化財の保護といった目標を掲げました。特に、宿泊施設や観光客数の減少が課題となっている中、実験から得られる知見をもとに、他の事業者とも連携し社会課題解決に向けたアクションを取っていきたいとの意向を示しました。
今後の展望
実証実験を経て、次年度以降は民間事業者や投資家との連携を強化し、持続可能な運営スキームの構築を進める予定です。さらに、沖縄県内外を対象に、国立公園や世界遺産などでの新たなビジネスモデルの横展開も視野に入れています。観光業界や投資家に向けての情報発信も強化し、広く協力を呼びかけていく考えです。
中城村について
沖縄本島中部に位置する中城村は、琉球王国の歴史を色濃く残す地域で、2000年には中城城跡がユネスコ世界遺産に登録されました。この美しい城跡は、鮮やかな自然環境と共存し、観光の魅力を引き立てています。近年では最新技術を用いたナイトイベントも行われており、地域の新たな観光資源としての可能性も広がっています。
おわりに
INNFRAの新たな取り組みが成功すれば、観光と防災を融合させたモデルとして、多くの地域に展開できる可能性を秘めています。社会的なニーズに応じたインフラの新しい形が、地域の未来を切り開くことに期待したいです。