三井不動産とグローバル・ブレイン、共同で新たなファンドを設立
日本の不動産業界の巨人、三井不動産株式会社と、スタートアップ支援に特化したグローバル・ブレイン株式会社が手を組み、300億円の運用を目指す新しいファンドを設立しました。このファンドは「三井不動産 &イノベーションファンド」と「三井不動産 &フロンティアファンド」という2つのファンドに分かれており、特に新しいビジネス領域やアセットクラスでのスタートアップ支援に重点を置いています。
事業戦略「三本の道」とファンドの設立の背景
三井不動産は、同社の長期経営方針「&INNOVATION2030」に基づき、「コア事業の成長」「新たなアセットクラス」「新事業領域」の三つの方向性を掲げています。この「三本の道」を実現するため、両ファンドの設立が決定されました。ファンドの総額は200億円に達し、事業共創を重視した投資を行うことが主な目的です。
スタートアップとの連携を強化
グローバル・ブレインは2015年度に設立した「31VENTURES Global Innovation Fund 1号」以来、約10年間にわたり三井不動産と共にスタートアップとの事業共創に取り組んできました。この取り組みをより一層加速させるため、新たなファンドでは、両社が一体となった専任チームを組織し、企画から投資、実装までを担う体制を整えました。これにより、意思決定のスピードと実行力が向上し、投資先企業との連携を強化します。
ファンドの詳細
「三井不動産 &イノベーションファンド」は運用総額150億円で、投資対象として労働力不足の解決、自動化、建築コスト抑制、オムニチャネル、IPビジネスなどを看越しています。運用期間は10年間で、グローバル・ブレインが無限責任組合員として、三井不動産が有限責任組合員となります。
一方、「三井不動産 &フロンティアファンド」は、運用総額50億円を目指し、エネルギーや次世代モビリティ、宇宙関連技術に焦点を当てています。運用期間は15年で、こちらもグローバル・ブレインが無限責任組合員となります。
スタートアップ支援の展望
グローバル・ブレインは、ファンド運営において有望な企業の見極めや投資判断、多面的な経営支援を行います。特に、IPO支援を通じ、投資先のスタートアップ企業が急成長できるようバックアップしていきます。今回の取り組みは、革新的なアイデアが実現できる環境を整え、次世代のビジネスリーダーを育成する基盤を築くものといえるでしょう。
おわりに
三井不動産とグローバル・ブレインによる新たなファンド設立は、日本のスタートアップエコシステムにとって画期的な出来事です。両社の深い知見やネットワークを活かし、スタートアップ企業と共に新しい価値を創出する未来が期待されます。今後の展開から目が離せません。